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飲み会にて2

飲み会の話です。

貴方の近くにいるカリスマ性を持った人間。

好きですか?嫌いですか?私は総じて嫌いです。

ですが主人公の喜多見昂は…

では続きは本編で。

 昂は、仕方なく、とりあえず、不本意にも、将平の隣の席に座る。将平はまだトイレから戻っていないようだった。

 「おうノボル。そこ、つーちゃん先輩の席じゃねぇの?」

 昂が座るなり、颯人が声をかけてきた。

 「あぁ、池田先輩、俺の席でダウンしちゃってさ。ってかそんなことよりも、サークル長就任おめでとう。同期なんだから俺らの要望、きちっと聞いてくれよな」

 乾杯と言い、どちらからともなくグラスを突き合わせる。昂は手近にあった、誰のかわからないグラスで乾杯だけした。

 「そぉいやさぁ、ノボルさんよぉ」

 「何だよ」

 「つーちゃん先輩と将平が付き合ってたのって知ってた?」

 「何それ、初耳なんだけど。詳しく教えてよ」

 昂がそこまで言ったところで、将平が帰ってきた。

 「ノボルっ。また後でな」

 颯人はニヒヒと含みのある笑い方をした。

 「お?何だ何だ?俺に聞かれちゃいけない話か?」

 「そうだよ。悪いか?」

 颯人が悪びれる様子もなく言った。

 昂は大学になってから将平の女事情をあまり聞かなくなったなぁなどと考えていた。

 将平は「あー、何か大体どんなこと話してたか想像ついたわ。そんな話はやめにして、もっと楽しく飲もうぜ!」と言って、タブレットでビールを注文する。

 そこからは将平の独壇場だった。誰かが話し出すと、話している本人も気付かないうちに将平が話の中心になっている。

 将平は元々話すのが上手いから誰も将平が喋りだしても文句を言わない。どんな何気ない話にも、どっと笑いが起きた。

 そのいつも通りの感じに、黙って調子を合わせていた昂は、だいぶ機嫌が悪くなっていた。

 いつしか調子を合わせるのも億劫になって、どうすればこの空間から抜け出せるのかなんて事ばかりを考えていた。

 

※昂のソロシンキングタイム。

 将平の話のどこが面白いんだ。ゲラゲラ笑ってるアンタらは何なんだ?脳ミソちゃんと付いてんのか?どんだけ笑いの沸点低いんだよ。もう一回脳ミソん中でコイツが喋ってる言葉反芻してみろよ。面白いか?それで面白いならもう終わりだわ。終わり。ほんと何でこんな奴なんかの話を皆が面白がって聞いてるのかワケわからん。俺がおかしいのか?違うだろ。皆キャラで笑ってんだよ。この人は面白いから、いや、その時点でもう間違いだな。将平はクソ程面白くねぇ奴だから。何でこんなやつが皆の中心にいるのかわからん。何でこんなやつが人気なのかわからん。あぁもうわからんことだらけだよ人生。やってらんねぇなクソッタレ。あれ俺今まで何考えてたんだっけ。あぁ、キャラで笑ってる話か。そう。アンタらはキャラで笑ってるんだよ。話では笑ってない!笑いの根源はそこか?キャラか?違うだろ!笑いの根源は話の内容だ!内容が面白いから笑うんだよ!マジで意味わからん。こんな脳ミソバグった笑いの沸点極低ヤロウとは同じ席に居たくねぇ。質の低い脳ミソがうつるぅ~。止めてくれ!誰かこの中身の無いクソの役にも立たない話を止めてくれぇ~!あ、シンプルに席立ちゃ良いじゃん。よっしゃ~立つぞ!俺は立つぞ!この場を切り抜ける最もらしい嘘で立つぞ~!

 

 「ごめん、ちょっと小便行ってくるわ」

 昂はまたそう言って席を立った。酒を飲むとトイレが近くなる体質だったこともありさほど時間を置いてなくとも普通に出た。

 小便器で立ちションしていると、落ちている陰毛を見つけて小便で何とか流そうと試みる。

 そうこうしているうちに小便が終わって水を流した。

 陰毛はあっさり流れた。

 昂は謎の虚無感を胸に抱いたまま手を洗いトイレから出た。すぐ席に戻るのも憚られたので、元の自分の席でろくすっぽ吸えない煙草を手に取り外に出ることにした。そのとき千歌と数語交わしたが昂の頭の中には何も入ってはいなかった。

 居酒屋の出口は冬への入り口でもある。

 外に出ると、肌を刺すとまではいかないけれど十分に冷たい空気が、上着を着て出てこなかった事を後悔させた。

 取りに戻るのも格好がつかないからと、昂はそのままの格好で煙草に火を着けかけて、やっぱり辞めた。

 昂は当てもなくフラフラと飲み屋通りを歩くことにした。

 今日は金曜の夜、つまり華金なので、通りにはスーツを着た会社帰りの人達が沢山歩いている。

 禿げた者、太った者、上司らしき人間の荷物を持つ者。

 誰もが今週の仕事が終わって晴れやかな顔をしている。

 ふと彼らの心は本当に晴れやかなのだろうかなんて事が昂の頭に浮かんだ。

 毎日擦りきれるまで働いて楽しみは週末の飲み会だけ。

 いや、週末の飲み会すら楽しみではなく苦痛な人間も多いだろう。

 彼らは生活の中心が会社になってもう何年働いているのだろうか。生きるために生活を削るその行為にどれ程の意味があるのだろうか、どれ程の意義があるのだろうか。

 昂はそこまで考えてから止めた。

 大学生の間にだけ出来る贅沢な考えだと思ったからだ。

 きっと何かを選ぶ暇もなく社会に組み込まれていくのだろう、と漠然とした思いを抱いたまま元いた居酒屋へと踵を返した。


 店の扉を開けると暖房の生暖かい空気がブワッと外へと流れ出した。店の中は未だに活気に満ちている。昂の席にはまだ露が机に突っ伏した姿勢のままだった。

 「まだいるのかよ…」

 そう独りごちた昂は、しかしそのまま自分の席へと向かった。

 「あー、タッキーお帰りぃ。どこ行ってたのぉ?」

 千歌のメロンチューハイはまだまだ残っていた。

 「散歩」

 すっかり酔っ払っている風の千歌へ素っ気なく返事をしたあと昂は机に置かれていた食べ物に手をつける。冷えた唐揚げはそこまで美味しいものではなかった。

 昂は座敷の角に背中を預けて居酒屋の中を見回す。皆だいぶ落ち着いてきているみたいで、それぞれの机で会話に華を咲かせている。腕時計を見ると21時を少し回ったくらいだった。

 ふと足下に目を遣るとそこには正方形の付箋が。

 『今日は家まで送ってね!喜多見君。 池田露』と書かれている。

 さっき颯人から聞けなかったことを聞くチャンスだな、と昂は思った。

 その後飲み会は日付が変わる直前まで続き、カラオケ二次会組と帰る組に別れた。

 昂は駐車場に停めていた自分の軽自動車を店の前に乗り付ける。

 店の中で完全にダウンしていた将平を男二人がかりで後部座席に突っ込み、次にやけに身体が軽い露を抱き抱えて運び将平の隣に座らせた。

 さぁ、出発しようというところで急に助手席のドアが開いて千歌が乗ってきた。

 「ごめんタッキー!私も乗せて!」

 「良いけど。家何処なの?」

 「タッキーんちの近く!」

 「そう。あ、シートベルトつけろよ」

 りょうかーい、と軽い返事をして千歌がシートベルトをつける。それを待ってから昂は車を発進させた。

はいどーもー。

行ったこともない大人数での飲み会を書くのは難しいですね。

まぁあまり確りと描写出来なかったのでまたの機会に頑張ります。

次からは車に乗って皆を送り届ける話ですね。

ではまたどこかで。


全然関係ない話していいですか?

今機龍警察つて本を読んでてですね、僕の作品の129を頑張って終わらせた暁には続編と称したロボットものをやりたい熱が出てきました。

だがしかしそれをするには色々資料を集めないといけませんね。

まぁ気長に頑張りますとも。

ではまた。

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