魔王!
女共はビビって一言も発せなーい!!
俺が一人高笑いをしていると突然後ろから声をかけられる。いや?怒鳴られるの間違いだな。
「貴様ァ!何者だ!?」
振り向くと、立派なお城にそれを取り囲むたくさんの兵士。叫んだのは隊長かなにかかな?
うーん、それにしてもこんなでっかいお城が近くにあったなんて。
なーんで今まで気づかなかったのかなぁー?
「冷めるなぁ、君たち……」
ピエロの姿で空中をかつかつと歩く。足取りが軽いし、思考に迷いが無い。
俺はうろちょろする城の兵士共を指一本で消していく。
「いらないいらない。いらない。おっ!女の子の騎士じゃん、いる。賢そうなやつら、いる。うーん……あと全部いらない!!」
爆音が轟き、閃光が放たれる。俺は必要の無いゴミをこの世から一切消し去った。
「はいはい、俺最強!次は、なにしよっかなー」
「王子!?王子何でそんな格好を!?」
なんだまだ生きてるやつがいたのか、と思って振り向くと、今さっき生かした賢そうなやつだった。
周りの奴らによると大臣の一人らしい。
「俺は王子じゃないよー!神様だよー!!」
「いえ、王子は王子です!これをご覧に!」
そう言って見せたのは絵画だったが、確かに俺のこの世界での姿によく似ている。
「魔王退治に行ったはずでは無いのですか!?」
「魔王……?ああ〜〜!!はいはいはい!はい!!行きます行きます!」
魔王のステータスを確認っと。
職種:魔王
HP:99999
MP:99999
能力:【絶対障壁】 【絶対死亡魔法】
かっす!!ゴミ!!圧倒的ゴミ!!もう可哀想だし俺に匹敵するかしないか位に強くしてやろう。
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その頃の魔王。
「む……?何だ?急に魔力の昂りが……!!っふぅ……。力が溢れる……そして誰だ?この私に【闇】の魔力を送った者は?」
「この魔力を送ってくれたものに感謝せねばなぁ……」
古びたローブを見に纏い、配下に颯爽と命令を下す。
「さぁ。共に行こうではないか……。この世界での真の支配者が誰か見せつけるためになぁ……」
ボロボロな石造りの魔王城は姿を変え、鉄筋コンクリート造りのビルに変わった。
「魔王よ……これは!?」
「異世界の知識だ。なんかこうどっかから流れ出てきた」
「左様でございますか」
秘書のような勤めをする闇の魔法使いはビルを後にして偵察の為、姿を消した。
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さて敵も作ったし、今日は城でゆっくりくつろごうかなー。
クラスのブスどもが目に入る。
「帰りたいよ〜。やだよ〜」
五月蝿いやつらだ。百万回死ね。
「あ、もうお前ら飽きたから、消えていいよ」
空中で指を動かすといとも簡単に消えた。
俺は、ブスどもを消しとばすとさっさと城へ向かった。