最強!
……キス飽きた!!
俺は時を戻してこいつらと遭遇するところからやり直しことにした。
指で空を切ると時間が巻き戻る。
「この世界はゲームみたいで楽しいなああああああああああおい!!」
歓喜のあまり踊っていると、ふと冷静になる。
あれ?こんなに楽しいし最高だけど、これ本当に現実か?
まさかまさかまさかまさか!!嫌な予感が頭を巡る。まさか初めから走馬灯で見てる妄想とか!?実は男共は誰一人死なずに俺だけが轢かれる寸前とか!?
「嫌ダァ〜!!嫌ダァ〜!!」
時を完全に戻すと、元のブサイクな女共が騒がしくわめいていた。
クソブサイクどもが……。
俺がこんなにもこんなにも悩み悩み抜いていることを知らずに呑気に生命活動を持続しやがって。
「帰りたーいー!」
なんだとこのアホどもがっ!!
突然湧いてきた怒りに身を任せ、腕を軽く振るとその先にいたクラスのマドンナが粉になって消滅した。
「きゃあああああああ!」
「やっちまったぁああああああ!!貴重な現実の人間がぁ!!」
俺が慌てふためき狂気に呑まれる様子に女共は群がってビビっている。
ここで弱さを見せたら駄目だ!!またゴミムシのように扱われ冷たい日々が戻る。
「はぁん?お前ら逃げ場無いってわかってるぅ?いくらここが平原で何も無いからって逃げ切れると思うなよ?お前らが出来ることはせいぜい俺に最大の忠誠を誓うことだ」
女共は怯えて大樹に身を寄せる。
「そうだよ。寄らば大樹の陰って言葉、知ってるよなぁ?あ、強い女に群がってたお前らならわかるかぁ〜。アハハハハハハハ!!」
「だ、誰がお前なんかに!?」
「あ?」
ふざけた態度をとったのは、ずっと俺を虐めていた女グループのリーダーだ。今まではこの声を聞くたびにトイレへ逃げ込んでいたが、もう違う。
俺はそいつの前に大きな崖を出現させた。
「飛び降りろ」
「は?あんた何様のつも......」
俺が指パッチンをすると真っ逆さまに落ちていく。
「あああああああ!」
「おぉーっと。やってしまったなぁ?けどほら救済措置」
俺は神のような力と仏のような慈悲を持っているのだ。いくら虐めの主犯格だとはいえ簡単にはコロサナーイ。
落下地点に出現させたのは学校のトイレだ。落ちていく女はあっさりとその中へ入っていく。
「はいお一人様ごあんなーーーい!!」
これはいつも俺がトイレに逃げ込む時に女が言っていた言葉だ。
「この世界でも排泄物はしっかり紙で拭いて流さないとなぁ?」
くしゃくしゃぽいっと。トイレをかたどった空間ごと潰す。
まーた勝ってしまった。やれやれだぜ。俺に反逆しようとする者は〜?はい!もういなーい!!
女共は完全にビビって、一言も発する奴はいなくなった。