表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/27

終われ!

俺は魔王軍の最後の城に到達していた。


「長い戦いだったな!それもここまでだ!」


「よくきたなピエロよ。その健闘褒めてやる」


「ぬかすな。俺は異世界チーター。俺がお前ごときに負けるはずがない」


「【絶対死亡魔法(デスエンチャント)】」


なんか聞き覚えのある呪文だ.......。


「あ.....れ.....?」


視野が暗くな.......。


三神明久、この世を去る......。





********



「おい!せこいだろお前!それ使うなって言っただろ!」



「は?我せこくないし」



魔王の城に遊びに行くのを思いついたのが一週間前。魔王の城に来たのが三日前である。


魔王、と言ってもこいつ、なかなかのイケメンである。


「それ使ったらつまんねーって言ってんじゃん!」


「我は魔王だぞ。別にいいだろう」


「よくねー!」


俺は違う遊びを提案した。


「あっ、そうだ。ガンシューティングゲームしない?あれ面白いんだけどなぁ」


「なんだそれは?」


「まあみとけって、場所は.....マイハニーの部屋にしよう」


扉を出現させる。んじゃあ、女神の部屋に繋がれぇ!!


「うわぁ!誰ですか!?」


眩しい光が収まると、白い方の女神がいた。


「やあ久々じゃないか、俺のマイハニー!待ち遠しかったぜー!お前に会うのが!!」


「私あなたのことなんて知りません!!」


「んー?つれないなぁ?こいつ見ても同じこと言えんの?」


俺は青いほうの女神を召喚する。


「え、えだまめー!」


「ね、姉さん!?なぜここに!?」


「食べてたはずの枝豆がー!?」


「姉さん、しっかりして!!」


「ハハハハハハ!こいつの記憶に細工をさせてもらったのさ!ついでにお前のパラレルワールドでの記憶を補ってやろう!」


得意のパターン、指パッチンで女神(おれのマイハニー)の記憶を補完してやる。


「どうだ?思い出したか?」


「わ、私は……別の時間軸の私はなんて屑を転移させてしまったの!?」


で、出たー!名言!いつものやつだぁー!


「ハハハハハハ!それでこそマイハニーたぜ!よし、魔王。こいつを倒すのがゲームね」


「ほう?こやつを倒せばいいわけだな?」


「あ、あれだぞ【絶対死亡魔法(デスエンチャント)】は無しにし......」


「【絶対死亡魔法(デスエンチャント)】」


ひ、人の話を聞け!


「いぐ......んうぁ.....あっ.....」


「あっ馬鹿.....あー死んじゃった......」


かわいそうなマイハニーは地面に力無く倒れこむ。


「あちゃあ.....」


「なに?我、なんかまずいことしたか?」


「言わんこっちゃない......もうそれ禁止ね!」


「ええ!?」


「ああ、かわいそうに」


女神は死んでもかわいい顔をしている。なんてもったいないことを......。


「まあ、生き返るからいいんだけどね」


でも、ただ生き返らせるんじゃあ、意味がないからなぁ.......。


「ん?なんだこのボード」


これは以前女神が持っていたボードではないか。なんだかタブレットみたいなやつ。


えーと何?このボードは神である印で.......ほほう、なるほど。


「【コピー】」


早速俺の分を作る。


『アナタハ カミトシテ ニンシキ サレマシタ』


「よし、これでよしと。じゃあ、マイハニー悪いけどお前の分はぶっ壊させてもらうぜ」


女神が持っていたボードを足でへし折る。すると女神が羽織っていた天の羽衣っぽいやつが消えた。


「あ、これで神様じゃなくなっちゃったわけだ。いやぁ、悪いことしたかな?」


全くそうは思わない。


「んじゃ、生き返ってもらうか」


手を叩くと女神が昼寝でもしてたかのように、違和感なく目を開ける。


「あれ.....ここは.....。あれ!?羽衣が無い!私の羽衣!羽衣!!」


「あー、それね。もう君神様じゃ無いんだってさ。俺がこのボードぶっ壊しちゃったから」


「そ.......そん.......な......ひどい、ひどすぎます......」


凛々しい態度はどこにいったのか、女神は子供のように泣き出した。


「私.....これからどうしていけばいいんですかぁ......!もう神様じゃないなんてぇ.....!」


泣いたら、かわいい顔が台無しだろう。


「あーもう泣かんでくれよ。ほら、まだステッキは残ってるだろ?」


「.......あ、ほんとだ」


ザコいけどね、そのステッキ。


「あ、そういやぁパン屋はどこいった?」


「ここです!王子さま!」


「よし、よしボードだせ!」


「わかりました!王子さま!」


ペキッ。青いほうも羽衣が消えた。


「はっ......なんか力が衰えたような......」


「ほらお前にはこのステッキ(ザコ)があるだろう?」


「おお!なんですかこれは!すごいですね!力がみなぎってくるような気がします!」


「はあ、それは結構。で、マイハニーは泣き止んでくれた?」


「その.....呼び方、やめてくれませんか......」


「へえ、じゃあなんて呼べばいいわけ?」


「ベ.....ベリザーナ......」


「ベリザーナぁ?ッハハハハハハハ!変な名前!」


「ひどい!」


「で、これからどうするわけ?お前もう神じゃ無いんだろ?」


「......わからないです。姉さんもそんな感じですし......」


「まあいいや、俺チーターだし、お前がこのチートくれたわけだし、とりあえず姉と一緒に城でパンでも作っとけ」


「ええ......はあ.....」


まあ、好きにするがいいさ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ