ミーミルの泉
「民からの依頼を引き受けられたと聞きました。共に、悪魔を倒しましょう」
意気込んでいるクリストファーを前に
「え、民からの依頼?」
眉を寄せた慎也。
「慎也、利用されたな」
アルマが小声で言った。
「アルトリウス様の元に、悪魔討伐の依頼が来てたんだろ。影武者の慎也を動かせば、評判も上がって一石二鳥ってとこ」
「あ、あのクソ王子……」
♦︎♦︎♦︎
ミーミルの泉
「ここに、ドラゴンが居るのか」
銀髪に蒼氷色の瞳を持つ少年ーーシグルス。
ティルナノーグの民から依頼が出ていた、ミーミルの泉の悪魔討伐。
「シグルス様、不安ですか?」
日本刀を持った、黒髪の清楚な女性が声をかける。
「いや、リシャ。君が居るから心強い」
「まあ、お上手ですこと」
リシャは口元を綻ばせると
「昔は、よくここでアルトリウス様と遊ばれていましたわね」
シグルス様の方が地理にはお詳しいのでは、と続ける。
「あー、いや……その昔の話だろう」
「それもそう……シグルス様、誰か来ます」
リシャと共に、シグルスは茂みへと姿を隠す。
「後ろだ!」
アルマの持つ魔法使いの杖が、赤い光を放ち警告。
「お、重い……」
聖剣が上手く抜けずに、モタモタしている慎也。
「アルトリウス様は、私がお守りします」
クリストファーが、鳥型の魔物を槍で仕留める。
「あ、ありが……じゃなくて、ふむ苦しゅうない。よくやった、クリストファーよ」
「はっ、ありがたき幸せ!!」
その光景を横目に
(クリストファーが、バカで助かったな)
アルマは深い溜息をついた。
「あら、あれはアヴァロンの……目的は、私たちと同じでしょうか」
「あいつ、オタク眼鏡か?」
大きく目を見開いたシグルスに
「シグルス様?」
リシャが聞いた。
「いや、少しビックリした。とにかく、目的が同じなら協力した方がいいだろう」
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