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アフターネクスト

作者: 湯気

学生たちが帰路に就く。その中に男はいた。

成績が良いわけでもなく、スポーツが特別できるわけでもない。一見普通の男である。しかし、彼には普通の人とは違うところが1つだけあった。

男には超能力があったのだ。それは、あまりにも普通すぎた男にとって願ってもないことだった。

嬉しさのあまり、男は超能力を多用した。それもあってか、彼はすぐに自身の能力の本質を見抜くことができた。

男の超能力は、簡単に言ってしまえば予知能力であった。しかし、普通の予知能力とは少し違っている。彼は、未来に起きる出来事のその後を見ることができたのだ。

例えば、男の前にこれから交通事故に合うハズの少女がいたとする。その時、男には事故が起こるという事は予知できないが、何らかの理由で少女が死に、葬式が行われるという事は予知できるのだ。

そんな男は、現在もまだ自身の超能力を磨くため能力を駆使していた。

男は、前を歩いている2人の女子のうち右側の女子の背中をじっと見つめる。少し間をおいてその女子が隣の子に絆創膏を貼ってもらている場面が浮かぶ。

男が、右側の女子がこけでもするのだろうと予想を立てたのと同時に右側の女子がこけた。

隣の子が、心配そうにカバンから絆創膏を取り出す。それを見て、男は自分の予知が当たったことに満足し、女子たちの横を通りすぎた。

しばらく歩き男は公園に立ち寄った。彼が次に目を付けたのは、公園で遊んでいる少年である。

男は、いつも通り少年をじっと見つめ集中する。しかし、男の目には何も映らなかった。

失敗したのかと思い、男は再び能力を行使する。だが、結果は同じであった。

男は、首を捻った。仮に、予知した相手が死んでしまったとしても、葬式の場面が浮かぶハズである。葬式がないとしても死体の処理が行われる場面が浮かぶハズなのだ。そのどちらもないというのはありえないことである。

男にある仮説が浮かんだ。そして、少年の近くで遊んでいた少女に能力を行使する。しかし、結果は少年の時と同じであった。

公園にいる人たち全員に同じことを繰り返したが全く場面は浮かばなかった。

男は、瞬時に青ざめた。彼が立てた仮説それは、二つあった。一つ目は、ただ彼の能力に何かしらの不具合が起きたということだ。二つ目は、ここにいる人間が死んだ後に葬式をあげる者もいなければ、死体を回収する人間もいない、言ってしまえば人間がいない世界になってしまうということだ。

男は、前者であることを祈りながら空を仰いだ。

その目は、太陽と共に見慣れない大きな石のようなものを捉えたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

未来のさらに未来だけが見えるという超能力にしたんですが自分自身が書いてて何度か混乱してしまいました。

何かおかしなところや疑問に思うことがあったら是非、指摘してください。

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[良い点] 情景が浮かびやすい簡潔にまとまった文章とストーリーで個人的に好み。 [気になる点] 句読点を多様し過ぎているせいで短いのに読んでいてテンポが悪いのが気になった。 SSスレ等で散見されるあ…
[良い点]  面白いと思います。結末へのもっていきかたも、良かったです。 [一言]  ただ、ありがちと言えばありがちな話ではあるので、まずは余程のこだわりがあるのでなければ、文章の体裁を整えるのも、読…
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