第8話
・・・・はっ!?
私は夜中にいきなり目が覚めてしまった。
最近は全然見なかった夢を見たからだと思う
その夢は私を救ってくれた人の夢
“あの人”はもう居ないけれど私はあの人のおかげで今まで生きて来れた
“あの人”が居たから今私は生きている、
“あの人”が隣に居てくれたからこそ私は・・・・
この世界に飛ばされた時も元の世界に戻れないと知った時も私は安心したのだ
あの世界には“あの人”との思い出が多すぎる・・・
“あの人”との思い出が有る場所に行くたびに思い出し夢を見る
“あの人”との思い出が詰まった物を見るたび思い出し夢を見る
夢を見た後に残るのは空虚な私の心だけ・・・
苦しかった・・・
そして
悲しかった・・・
やっと意思を持ったいきものだけに許される感情を手に入れても
“あなた”はもう居ない・・・
でも
それでも私は生きていく
それがあ“あの人”の願いだから
別れの時に言われた言葉は遺言でもあった
それは
『私に何が有ったとしても貴女は何もしてはいけない。
そして絶対に幸せになってね、
貴女は貴女が愛する者を見つけなさい。
絶対にかたき討ちなんてことは考えてはいけないわ、
私はもう貴女の傍には居られないけど何時でも貴女の事を思ってる。
忘れないで、
これはあなたと私との約束よ・・・・。』
約束・・・この約束が私を生の世界に縛り付けている《枷》
あの人が訳ありの人だとは分かっていた
だからこそ覚悟はしていた
だから約束を果たすまで・・・私は・・・・・
『どうしたのルナ?』
母様の声ではっとなる
少し考えすぎていたようだ
心配げに見つめてくる母様に私は
『大丈夫です』
そう答えまた眠りにつく
今の私は幸せだ・・・・・・
それでも
貴女との約束を果たした時は“あの人”の元へいく時だ・・・・