第5話
『ソルマリア帝国・・・・?
この森のすぐ隣に人の国があるってことか?』
ウィル兄が驚いたように声を上げる。
『じゃあなんでこの森には人が入ってこないんだろう?』
ルカ兄の疑問に母様は
『それは、この森は守護獣が住処にしている聖域だからよ。
人はこの森にはどうしても入らなければいけない場合や、私達に王や大神官からの連絡を伝えるための使者以外は入っても良い場所が限られているからよ。』
・・・また初めての名前が有った。
ウィル兄もやはり気になったのか、母様の話に区切りがついた所でさっそく質問を入れている。
『母さん、その【守護獣】って何なんだ?
初めて聞いたんだが。』
これには父様が答えてくれた。
『【守護獣】とはソルマリア帝国での私の立場だな。
私は帝国の守護をしているのだ。・・・とは言っても王が駄目なやつならば我ら一族は決して王や帝国の民達の前には姿を表わさん。
王が腐れば国自体がどんどん腐っていく。
そのような人間に力を貸す必要なんてないのだからな。
しかし、民を思いやる事が出来る心が綺麗なものなら力を貸すのも良いであろう。
・・・王だからこそ汚い事もしなければいけない時もある。
だが、それでも信頼され、慕われるような王なら力を貸すことにしている。』
今の王は良い奴だ、民達も穏やかで今まででも1・2を争う程度にな。
これには納得した。
私達一族はこの世界でかなり立場が強いようだ。
そんな、事を考えている時に思い出した事が有った。
それは、私が女の子だからこそ知っておくべき事が有り、男の子だからこそ知っておくべき事が有るとの母様の主張で〔母様と私〕、〔父様と兄様達〕と分かれて色々教わっていた時の事だ。
『・・・そう言えば、前に人が入ってきた時がありました。』
『それは本当なのルナ。』
ルカ兄が初耳だよ、と聞いてくるので正直に答える。
『はい、母様と2人で行動していた時に見ました。』
この時の事を話したあとの母様を除いた男達の表情は忘れられないものとなった。
男だけの表情が変わった・・・・
これだけできずく人はきずくはず‼
次の話は具体的な話を入れようと思っています。