表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双葉  作者: 遠藤 敦子
3/6

3

 文学フリマ京都にて、島田(しまだ)加奈子(かなこ)はXでお互いにフォローし合っているA子の本を買いに行った。日頃お世話になっているので、挨拶回りも兼ねている。加奈子はXでA子の小説の感想をポストし、

「創作の参考にしようと思った」

 という言葉で締め括った。それがA子の気に触ったのか、A子はXにこのように書き込んでいたのだ。

「創作の参考にするためにうちの小説が買われたっぽくて、落ち込んでいる。控えめに言って返送してほしい」

 誰のこととは書かれていないけれど、加奈子はすぐさま自分について書かれていると気づいてしまう。誤解を招いたのなら申し訳ないと加奈子はA子にリプライを送信するも、A子からの返信は12時間経ってもなかった。見ていないだけかと思いA子のページを見ると、他の人には返事している様子だ。おそらく加奈子のリプライだけ無視しているのがわかる。

 A子は「あなたの作品だから買った」という特別感のある感想を期待していたか、参考にするということは作風を真似されると猜疑心を抱いてしまったのだろうと加奈子は考えた。A子との建設的な話し合いは無理そうだし、今後も何かあると不満をみんなが見る場所で書かれそうな気がする。加奈子はそう思い、A子のアカウントをブロックした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ