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鍵のかかった部屋  作者: ツヨシ
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おばあちゃんがいなくなった。

数年前から痴呆が始まり、これまでも何回も徘徊していなくなっていたが、そこはみんな顔見知りの村のこと、いつも誰かが見つけて保護されてきた。

しかし今回はまるで見つからないし、誰も行方を知らない。

家族、親族はもちろんのこと、近所の人に警察まで探したが、一向に行方が知れない。

おまけに今は冬だ。

外は雪まみれ。

こんな状況で野外では一晩もたないだろうとみな必死になって探したが、夜が明けてもおばあちゃんは保護されないままだ。

お父さんは仕事、お母さんも家事そっちのけで探す。

しかし見つからない。

不安がつのるばかり。

二日目も、三日目も、おばあちゃんはどこに行ったのかわからないままだ。

誰も口にはしないが、生きているのかさえわからない。

と言うよりも……。

四日目、五日目も同じだった。

おばあちゃんが行方知れずになったのは大きなことだが、そこまでではないが、我が家にもう一つの出来事があった。

それはおじいちゃんだ。

明らかに人が変わった。

変わったのはおばあちゃんがいなくなった時からだ。

普段はおしゃべりなのに、いきなり無口になった。

話しかければ必要最低限のことは返すが、それだけ。

おまけに表情その他から、一切の感情か消え失せたかのようだ。

その顔は常に能面かマネキンのようになり、そこに喜怒哀楽と言った色は全く存在しない。

生きている人間とは思えないほどの雰囲気を漂わせているのだ。

それと同時に自分の部屋に鍵をかけるようになった。

もともとおじいちゃんの部屋に鍵などなかったのだが、自作で鍵をつけたのだ。

そして部屋を出る時には必ず鍵をかけ、部屋にいる時にも鍵をかけているのだ。

お母さんが「お掃除しますから」と言っても「わしがやる」と言って部屋に入らせない。

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