出会えた努力に嬉しみを持ち
なんか、人間界のやつが上手く書けなさそうなので、すみませんが、基本的に人間界は書かないでおこうと思います。
申し訳ございません!!
「全魔族に連絡する!!逃げた人質を捕獲せよ!!」
その声を聞いた瞬間、水歌はハッとした。
「嘘っ、もうバレた!?」
水歌はとにかく走った。
稲荷神社を見つければ、目標達成なんだ。
それをすれば、あとは牢屋にいていいだろう。
無我夢中に霧の中を走った。
そんな時だった。
『__私と血の繋がっている少女。』
声が聞こえた。
『こっちに来てくれないか__。』
声がする方に走った。
声の主は狐だろう。
そこから考えると、声の方向に稲荷神社があるはずである。
『魔族は来ていない。だから、早く__。』
声がどんどん大きくなってきた。
近づいている証拠だ。
そして気づくと、そこには沢山の鳥居が並んでいた。
そこをくぐって急いだ。
さっきまであったはずの霧が晴れていた頃になると、目の前の神社がはっきり見えるほどに。
「ここが...っ!?」
いきなり、目の前が白くなるほどの光が辺りを照らし、クラクラしそうになったが、どうにか立ち続けた。
そして、光が収まると、1人の男性が立っていた。
その男性は、耳と9本の尻尾が生えていた。
そう、九尾だった。
「私と血の繋がっている少女、会えて嬉しいよ。」
水歌は思った。
金髪青目って、めっちゃ主人公キャラの見た目じゃん。
と。
水歌は、ちょっと混乱しかけていた。
「さて...少女、名前を教えれくれないかい?」
「えっと、甘咲水歌です。」
「アマサキミズカ?アマサキって名前なのか。」
水歌は少し頭にはてなを浮かばせた。
どうやら、異世界は海外と一緒で名前が先らしい。
「えっと...ミズカ・アマサキ。そっちが本名。」
「ミズカか。私はユーリだ。よろしくな。」
「よろしくお願いします。ユーリさん。」
2人が握手をすると、水歌の身体が光始めた。
「これは...?」
「能力を渡したのだよ。これで、君も立派な妖狐さ。とは言っても、人間の血の方が多いから、見た目は人間だけれどね。それでも、色々な力が使えると思うよ。」
「ありがとうございます。」
「大丈夫だよ。ところで、これからどうするのか、決めたのか?」
「あー...。」
水歌は考えた。
どうやって、魔王城に戻ろうかと。
「転移魔法でもあればなぁ...。」
「あるよ、私の力の中に。」
「ご都合主義...?」
「違うから安心していいよ。まぁ、使ってみたらいいよ。」
「はーい!」
水歌は行きたい場所を思い浮かべた。
「【転移】。」
そうすると、身体が光り輝き、その場から水歌の姿は消えていた。
目を開けると、そこはもう牢屋だった。
「うおー、スゲー!」
水歌はめちゃくちゃ楽しんでいた。
そんな時だった。
「なんで牢屋の中にいるんだよお前っ!!」
牢屋の外に、息を切らしたルアンがいた。
「疲れてそうだね。」
「お前のせいだっ!!」
水歌はあぁ...と思いながら、ルアンを見た。
そして、こう言った。
「ごめんね...?」
「っ...!?あぁ...もういい!!」
ルアンはなぜか、顔を隠すような素振りをしながら走って行ってしまった。
「あ、ちょっ...どうしたんだろう...?」
水歌は疑問を持ちながら、ルアンの後ろ姿を見ていたのであった。