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消しゴム

作者: ドロム

「あ」

隣の子の机からぽた、と、消しゴムが落ちた。拾おうと思ったけど、嫌な顔をされるかもしれない。怖くなって少し躊躇う。そんなことをしている内にあの子はすぐに拾って、少し払って計算の続きを始めた。消しゴムも拾えない奴が話しかけることなんてできるのだろうか。いっそのこと自分のをわざと落として彼女に拾って貰おうか。いや、拾えなかった奴が拾って貰えるんだろうか…

そんな夏はすぐに過ぎた。あの子の名前を書いた僕の消しゴムは、二つになったりどこかに行ったりししてすぐに小さくなったけど、結局試験場にも持って行った。でもその消しゴムはあの子から新しいのを貰ってからは使っていない。あの子とは結局違う大学に行ってしまったけど、今でもたまに会う。もちろん付き合う事なんてできていないし、あの子が僕に気があるとは思えないけど、それでも会えば楽しいし、あの時を思い出してふと恥ずかしくなったりする。彼女は未だにそんなことで悩んでいた僕の気持ちは知らないままだろうし、そのままで良いのだと僕も感じている。

今でもよく消しゴムを買うときに思い出す小さな思い出。


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