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【コミカライズ化】無能と追放された最弱魔法剣士、呪いが解けたので最強へ成り上がる  作者: 青空あかな
「第二章:王国騎士修道会編」

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第70話:vsリッチーロード

「降参しろ、リッチーロード。お前の仲間たちはもういない」

「そうだよ、降参して!」

「無駄な抵抗はやめろ」

「私たちはまだまだ戦えますよ!」


 王都に出現したモンスターたちは全滅したし、ゴーマンたちは騎士に縄で縛られた。

 リッチーロードは一人。

 対してこちらは大勢の仲間たち。

 まさしく、孤立無援の状況だ。


『フフフ、雑魚どもには用はなイ。用があるのはお前だケ。アスカ・サザーランドダ。《闇の引力ダークネス・グラビティ》』

「なっ!」


 リッチーロードが手をかざすと俺の身体が浮き上がり、勢いよく引き寄せられた。

 ヤツの手には鋭い杖が握られている。

 有無を言わせぬ強さに、“魔族四皇”の実力が見えるようだ。

 だが、この程度は十分に防げる。


「《ウィップ・サモン》」


 地面から何本もの木の鞭を召喚し、自分の身体を支える。


『一筋縄ではいかぬカ。まぁいい、《暗き隔離ダークネス・アイソレート》』


 リッチーロードがパチンと指を鳴らすと、ヤツを中心とした巨大なバリアが展開された。

 瞬時に、遥か上空まで昇る。

 仲間たちは隔離され、俺とリッチーロードだけがバリアの中に取り残された。


「「アスカ! ……くっ!」」


 すかさず、ナディアたちがバリアを突き破ろうと攻撃を仕掛けるが、どんな攻撃も弾かれるだけだった。

 遠目にバリアの表面が燃えているのが見える。

 母から伝え聞き、文献で読んだ記憶が蘇った。

 “魔族四皇”レベルでないと使えない、大変に高度な結界魔法だ。


「みんな、離れているんだ! このバリアはリッチーロードを倒さなければ解けない!」

『そこまで見抜くとは大したものダ。さすがはヴァンパイア伯爵を倒した男だナ』


 吸い込みの力が消え、俺は地面に降り立つ。

 魔族やモンスターの援軍がいるのかと警戒するが、リッチーロード以外の気配は感じない。

 俺は今一度剣を構える。


「どうやら、最後に残ったのはお前だけのようだな。王都の平和、国の平和は誰にも壊させない」

『貴様さえ倒せれば、ワタシの目標はほぼ達成されたも同ジ。アスカ・サザーランドさえ倒せれば、他の者に殺されても別にいいのだよ』

「……なに?」


 リッチーロードは不気味に笑いながら言う。

 やたらと俺に執着するのは……なぜだ。

 バリアの外にはナディアやティルーの他にもノエルや修道会の騎士たち、四皇までいるのにだ。

言葉の真意まではわからなかったが、まずはこいつを倒すことに集中しなければ。

リッチーロードは全身に魔力を貯めている。


『そろそろ始めようではないカ。互いの未来をかけた殺し合いヲ……《闇の包囲弾(シャドウ・ショット)》』


 俺の周囲に無数の黒い球が出現した。

 間髪入れず襲い掛かる。

 弾の配置やタイミング、襲い来る方向から、全てを躱し切るのは難しい。


「《光の鎧(ホーリー・アーマー)》!」


 聖なる鎧を召喚して身を守る。

 聖属性の魔力が結集した、あらゆる攻撃を防ぐ鎧。

 魔力の消費量が多いが、黒い球の効力がわからない以上、防御には手を抜かない方がいい。

 弾が当たると鎧にはヒビが入り、地面はグジュグジュと朽ち果てた。

 やはり、特殊な攻撃だったか。

 魔力を温存するため、一度鎧は解除して生身に戻る。

 リッチーロードは怖じ気づくこともなく、次の攻撃を仕掛けてきた。


『永遠の闇に囚われるがいイ。《闇の棺(ダークネス・コフィン)》』


 突如として、空中から黒い棺が現れ俺を閉じ込める。

 目の前に広がるのは漆黒の闇。

 剣を持つ指先の感覚が弱まり、少しずつ五感が奪われていくのを感じる。

 封印魔法か。

 このままでは完全に閉じ込められる。

 意識を剣に集中させ、上方へ向けて魔法と剣術の融合技を放つ。


「《ブレイズ・インパクト》!」


 剣から発生した衝撃波が天を貫く。

 漆黒の闇は完全に切り裂かれ、王都の景色が見えた。

 地面には黒い棺の破片が飛び散っている。

 初めて、リッチーロードの顔に戸惑いの感情が見えた。


『……ほぉ、この封印魔法さえ破るとハ。そんな人間は初めてダ』

「お前の攻撃は俺には効かない」

『それなら、これはどうかナ? 《闇の流星群(ダークネス・メテオ)》』


 バリアで囲まれた上空にいくつもの黒い岩が出現し、その全てが俺に向かって降り注ぐ。

 たとえ躱したとしても、王都には甚大な被害が出るだろう。

 となると、ただ避けるだけではダメだ。


「《次元一閃(じげんいっせん)》!」


 剣を振るい、次元を切り裂く。

 時空の狭間が出現し、全ての岩を吸い込み消える。

 リッチーロードはもはや同様を隠せていなかった。

 泰然とした雰囲気は鳴りを潜め、その顔はうろたえる。

 俺は地面を蹴り、一直線にリッチーロードへと向かう。

 遠距離魔法で攻撃されるが、もう完全に動きは見切れた。


『お、お前は、本当に人間なのカ!? あり得ない……あり得なイ!』

「ああ、ただの冒険者だよ。“魔王”討伐を目指すだけのな」


 リッチーロードの胴体を斜めに切り裂く。

 魔法に長けた分、身体能力は低かったのだろう。

 あっさりとした感触だった。

 俺とリッチーロードを隔離していたバリアも消滅した。

 ナディアたちが駆け寄り、俺と合流する。


「アスカ、やったね!」

「素晴らしい活躍ぶりだ。“魔族四皇”を2体も倒すなんて」

「まさしく敵なしですね!」


 彼女たちの笑顔を見ると、ここが俺の居場所なのだと実感する。


『うっ……な、なぜ、お前はそれほどまでに強いのダ……』


 ふと、地面からリッチーロードの声が聞こえた。

 致命傷は負ったはずだが、まだかろうじて生きている。


「まだ生きていたか」

『ま、待てッ! 殺すのは待てッ!』


 剣を構えたら、リッチーロードは命乞いをした。

 俺たちを見下していた面影はすでにない。


『ワ、ワタシは……ま』

「ま……なんだ?」


 リッチーロードは言いよどむ。

 この期に応じて何を仕掛けてくるつもりだ。

 自然と警戒心が湧き、


『ま…………“魔王”様の正体を掴んだのダ!』


 心の底から叫ぶように言った言葉が、王都に響いた。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます


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