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【コミカライズ化】無能と追放された最弱魔法剣士、呪いが解けたので最強へ成り上がる  作者: 青空あかな
第四章

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第100話:フローレの町

 王都を出発した後は順調に旅を進め、西に向かっていた。

 今は丘陵地帯の街道を歩いており、休憩がてらナディアたちと一緒に地図を確認する。


「……エリュシオン島の玄関口は、マリンドラと呼ばれる港町だ。俺たちの足だと五日ほども歩けばつくだろう。基本的に毎日、島との定期船が出ているようだ」

「へぇ、船が出ているんだ。それなら助かるね」

「悪天候じゃないことを祈ろう。自慢じゃないが、私はあまり天気の運がない」

「大丈夫ですよ、ノエルさん。いざとなったら私の水魔法で渡りましょう。多少の嵐なら渡れると思います」


 ノエルはやや雨女の傾向があるようで、騎士団の訓練でも雨になることが多いと零していた。

 王都を出る前イセレに祈祷をしてもらったらしく、効果が出るのが楽しみだとも話す。

 休憩を終え丘を一つ超えると、すぐにフローレの町に到着した。

 王都とは違って道は舗装されておらず、土の匂いが鼻をくすぐる。

 村が少し発展したくらいの規模で、牧歌的かつ長閑な雰囲気が漂っていた。

 町の規模にしては出歩く住民が少ない気はするが、落ち着いた空気が流れる田舎町という印象だ。

 空は少しずつ夕焼けに染まり、夜の訪れを知らせる。

 ちょうどいい頃合いだと、俺はナディアたちに呼びかけた。


「もうじき日が暮れる。今日はここで泊まることにしよう。冒険者ギルドはないらしいが、宿屋はあるはずだ」

「そうだね。ふかふかのベッドがあるといいな~。そろそろちゃんとしたベッドで寝たいよ」


 ナディアは背伸びしながら話す。

 この町に来るまでは集落や村もなく野宿が多かったので、温かいベッドが恋しいようだ。

 ティルーとノエルも同様らしく、俺たちは町の中心部に歩を進める。

 良い宿があればいいのだが……。

 そう思いつつ広場に足を踏み入れると、噴水近くの人だかりが目に入った。

 多数の住民が集まっている。

 人垣の間から様子が見えたが、中央には項垂れた青髪の男性が腰掛けていた。

 隣には娘と思しき、同じ青色の髪をした少女が慰める光景も確認できる。

 何かしらの異変を感じた俺に、ノエルもまた険しい顔で話す。


「どうやら訳ありのようだな。町の通行人が少なかったのも、ここに集まっていたからか」

「ああ、何があったのか聞いてみよう。俺たちが力になれるかもしれない」


 人だかりの方に歩くと、群衆より先に少女が気付いた。


「……冒険者だ!」


 剣や鞄などの装備が目に入ったのか、少女は叫ぶ。

 そのまま、転びそうな勢いでこちらに駆けてきた。


「ねえ、あなたたちは冒険者だよね!? やった! 間に合うよ、お父さん!」


 捲し立てる少女が噴水に向かって叫ぶと、男性が足を引きずりながら俺たちの下に来る。


「ソフィア、ちょっと落ち着きなさい。みんなびっくりしているじゃないか。……うちの娘がいきなり申し訳ありません。どうか気にしないでください」


 男性は平謝りするが、ソフィアと呼ばれた少女は振り切るようにしてなおも叫んだ。


「お願い、力を貸して! 街外れの……お墓を解放して!」

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