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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
プロローグ・マネキン
6/88

#5

「おい黒瀬!!屋根裏にギタイが居やがった!ステージ3の「マネキン」だ!」

日田は床を叩き、ギタイの存在を下に居る黒瀬に伝えようとするが、返事がない。

(くそ!防音性の高い丁寧な作りしやがって……!後で訴えてやる!)

黒瀬に声が届いて無いと分かると、日田は気持ちを切り替え、真っ直ぐにマネキンの方を見る。

「さぁて……来いよ!」

日田はマネキンを挑発するように、右手を前に出して人差し指をクイクイと動かす。

「グオルァ!!」

挑発に乗ったか、はたまた最初からそのタイミングで跳ぶと決めていたのか。マネキンは勢いよく床を蹴り、一瞬で日田との距離を詰める。

「うお!はえっ!!」

「ガァッ!!」

マネキンの右の大振りを、日田は身を屈めて回避、横に跳んで距離を取る。

(っつー……。危ねぇ……。大振りで交わしやすいとは言え当たったらただじゃすまなそうだな……しかも……)

「ヴォアッ!!」

(速い!!)

マネキンの突進を日田は体を捻って交わし、体勢を整え、攻撃に移る。

「極炎!!」

日田が叫ぶ。

すると日田の両腕が、黒い液体で包まれ、そして崩れる。

そしてその中から現れたのは、真っ赤に燃える両腕。

ボゴッ!ボゴッ!と表面から音が聞こえ、強烈な熱を発し続けている。

よく見ると、日田の腕は、ドロドロに溶け、流動し続ける「マグマ」で形成されていた。

「ゴガッ!?」

暴走状態に入っていたマネキンも予想外だったのだろう。理性を失い、白く剥かれてた目が大きく見開かれる。

そしてマネキンの本能が告げる、「逃げなくてはまずい」と。

だが、足が動かない。

左右でかなり色合いが違うマネキンの両足は、地面に根を張ってしまったかのように1ミリたりとも動かない。動かせない。

「ゴ……ガァァァ!!!」

だが、マネキンも、27人もの人間を食らい、そしてその何倍もの「掃除店」との死闘を繰り広げてきた猛者である。

マネキンは丸太のような豪腕を屋根裏の床に叩き付ける。

すると、あまり頑丈には出来ていない屋根裏の床は、一瞬にして、脆く崩れ去り、そこには大きな穴が開く。

そして、その穴からマネキンは緊急退避、即座に1階まで降り、あるものを探す。

それは無抵抗で非力な「一般人」だ。

マネキンは暴走状態ながらも、今までの戦いの中から、掃除店の奴らは、無抵抗な人間を盾にすると、一時的に動きが止まるのを知っていた。

そしてマネキンの目の前に、念願の人間が現れた。

黒いスーツを着ていて長髪の、いかにもひ弱そうな男だ。

マネキンの口元が醜く歪む。

マネキンは迷わず、その男に飛びかかった……。

読んでいただきありがとうございます!

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