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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
プロローグ・マネキン
1/88

プロローグ:発生

ゆったり続けていきます。

よろしくお願いします!

「ギタイ」

そう呼ばれる生物が確認されたのは、確か2021年辺りだっただろうか。

北海道で起きた連続殺人事件。

その犯人は人間ではなかった。

「ギタイ」

見た目は人間と変わらない。家族を作り、子供を生み、それを養うため会社に通う。

だが、人間とは全く違う点が一つ。

やつら「ギタイ」には、個体差はあるものの、一定の周期で「暴走状態」に入り、身体能力が格段に上がり、者によっては特殊な能力を発現させる者もいる。

そして最も質が悪いのが、暴走状態に入った「ギタイ」は、人間を食らうと言うことだった。

……そしてギタイは人間を食らうと、一種の快感を得ると、ギタイ本人からの取り調べで明らかになった。

性的快感よりもさらに上……。一度味わうと、もう止められない。再びその快感を得るため、ギタイは「暴走状態」に入り続け、そして、人を殺し続ける。食らい続ける。


そして、日本国は、殺人を犯したギタイを迅速に「処理」するため、新たな職を作り出し、全国に設置した。

「掃除屋」と言われるその者達は、今日も増え続けるギタイを殺すため、職務に邁進する……。



2035年、東京都「高田市」

一歩外に出れば東京の中心部に出ると言う最高条件の立地に在るのにも関わらず、家賃が安いマンションやアパートが大量にあると言う事から、若者に人気の町だ。

そしてそんな高田市の大通りを、地方から最近上京したての高校1年生の少女、村田鏡子(むらた・きょうこ)は、慣れない大量の人の波に飲み込まれ、身動きが取れずになっていた。

(うぎゅゅ……。都会とは……恐ろしい………!)

どんな服装で外に出れば良いか分からなかったので、黒色と白色を基調に、地味目に作られた高校指定の制服を着てきたのだが……。最初は初東京にしては地味すぎたかと後悔したのだが、こんなにもみくちゃになるなら、まぁ、これでも良かったかなと思い始めていた。

そんな事を思いながら、鏡子はようやく人の波を掴み初め、何とか前に進みかけたその時、

ポン、と鏡子の肩に、後ろから手が置かれた。

「……?」

鏡子がそれに気付き、後ろを振り向く。

そこには、長身の男性が立っていた。

人混みの中でも、異様な存在感を放っている長身の男性は、晴れているのにも関わらず、厚手のレインコートを羽織り真っ直ぐ鏡子を見下ろしていた。

(……!?これは………!?ナンパなんかじゃない!?ももも、もしかして!?私外国に売られちゃう!?!?)

鏡子の思考が突然の出来事にパニックを起こす。

「………何か勘違いしているようだが……。安心しろ、怪しい者ではない」

「こんな晴天の日にレインコート着てる時点で怪しさ満載何ですけど!!」

「………いい突っ込みだな。少し落ち着いたか?」

「……何なんですか?あなた……」

鏡子は右手を持っていた鞄の中に突っ込み、防犯ブザーをしっかりと、汗ばんだ手で握る。

「では……驚かせてすまないな。俺は掃除屋の日田(ひだ)だ。……信じられないかも知れないが、君から「ギタイ」の匂いがした。……時間があるなら、少し家の事務所に来てくれないか?」

そう言って日田は、鏡子を安心させようとするかのように、小さく微笑んだ。

読んでいただきありがとうございます。

活動報告に少し用語解説のような物もおいておきます。よろしければどうぞ。

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