弱気王&戦士的彼女
おとといは始業式が終わった。
昨日は入学式が終わり、今日から学校が本格的に始まる。
わたしは、朝食を食べ、学校に行った。
「……」
悠歩、大丈夫かな──────…?
心配なのは、これで。
新教室3年3組に入った時、やっぱ彼は……
男子たちにからかわれていた。
あ……でも。
悠歩、大泣きしてない……
でも、助けてあげなくちゃ。だめじゃない……
軽く叩かれてるだけでも痛そうだよ?
それに……悠歩がわたしに助けを求めてるような瞳だし。
「───…やめて!」
今まで守ってきた悠歩を裏切るわけにはいかない。
優しいかは分かんないけど、気弱な男の子だから。
「うわっ……」
「どっかいこうぜ……」
悠歩……わたしはこれでもあなたの戦士だって
言える?
わたしはさっき、一瞬だけ裏切ろうとしていた。
強くなったのを見た気がしたから──────…
「悠歩…大丈夫?」
「えっ……うん」
こんな間抜けな表情見せないで、余計に過保護に
なるかもしれない……
「さりなちゃん。ぼくお話があるんだ」
……悠歩の表情をまじまじと見た。
「何?」
何?と問いかけた時、彼は何もいわずわたしの手を引っ張っていった。
「……悠……歩?」
手の力が強い、どこに行く気なんだろう?
なんかいつもと違う彼にはゾク……とする。