拳銃:自衛官編
警察に続いては自衛官がテーマとなります。
自衛隊は警察予備隊として生まれた影響で今なお警察に苦手意識ある組織だったりします。例を上げると阪神淡路大震災の際に自衛隊は各部隊長が総員準備させたのに内閣は動かず、県知事、副知事が連絡取れずとなり、独断での出動が出来ない状況だったりしました。
もしもっと早く動けたら何人救えたのかと、言われる状況だったりしました。
そして、ゾンビが徘徊すれば当然、救出部隊が動きますので自衛隊に災害派遣名目の戦闘体勢を取らせるでしょう。災害派遣での実弾使用はタンカーの重油流出事故に際して、潜水艦による雷撃での爆沈という前例があります(映画シン・ゴジラでゴジラに自衛隊をぶつける際に防衛出動と言いましたが、法的文言ではゴジラが特定の国家による特殊兵器(例えばドラゴンライダーとか竜騎士とかいう操縦者などがいたりした場合)であればコレは兵器による攻撃ですので防衛となりますが、外来生物である以上、駆除となり、災害派遣というのが正しい。まあ、映画の台詞はインパクトあってナンボですから)。
まずは定番の駐屯地からの出動、そして避難所指定の病院や学校などに部隊を配備して防衛。ヘリや最近ならオスプレイなどで一気に駐屯地まで運ぶ手もあります。
そんな時に使われる武装にコレがあります。
名称:9ミリ拳銃
口径:9ミリパラベラム弾
装弾数:9+1発
11.4ミリ拳銃という名称で採用されていたアメリカ軍の貸与品、コルトガバメント。
しかし今は大柄や高身長な日本人ですが、警察予備隊、保安隊、そして初期の自衛隊の頃の日本人は小柄な体格で、そんな人間に大口径、高反動、高威力なハイパワーガンの代名詞、ガバメントは非常に持ちにくい、扱いこなせないとなり、新型の軽量な拳銃を求めてました。
とはいえ、自衛隊の戦闘計画は先ず第一に専守防衛、極端に言えば第一撃は甘んじて受ける、その後時間を稼いでいるうちに米軍の支援を受け、敵を追い出すというプランなわけで、可能な限り、武装は国産を目指すも、最低限銃弾などの消耗品は共通させようという補給の目論見があったので、9ミリ拳銃の前に国産拳銃作用計画はあったのですが、立ち消えとなりました。
しかし米軍もベトナム戦争などの影響から拳銃の選択を45口径から9ミリパラベラムに変更して後にベレッタM9が採用されるトライアルが行なわれるとなると、ようやく日本も同じように新拳銃採用計画が始まりました。
国内、国外の銃器メーカーはこの頃、9ミリパラベラム弾向けの銃を多数出しており、多くの選定の結果、スイスのシグザウエルP220が選ばれました。
そのライセンスを入手し、ミネベアミツミに制作させたのが自衛隊の9ミリ拳銃です。
とはいえ、P220には特徴がありました。それは元々の設計が米国向けに輸出できるように45口径ACP弾を使うことが出来るようにしてあり、9ミリパラベラム弾向けとしては少々大型だったということでしょう。中の銃身と弾倉を取り替えることで4種類の弾薬が使用可能という物ですので、一番強力な45口径弾に耐える設計が求められていました。
採用の理由とされたのが、デコッキングレバーという安全装置でしょうか。デコッキングとは引き金を引きながら撃鉄をゆっくりと下ろすことで、撃鉄が中ほどで止めることが出来るもので、西部劇などでよく見られる行為です。これをすることで再び引き金を引かない限り、暴発は起きないというふうになってますが、慣れないやつがデコッキングをすると撃鉄を戻し過ぎて暴発するというものです。それを機械的に確実なデコッキングが出来るようにしたのがP220以降のシリーズ物の特徴です。
あと自衛隊ならではの9ミリ拳銃の特徴的と言えるのは2つ、1つはマガジンキャッチャーがレバー式になっていること。現在のP220系統の全てはボダン式でマガジンの取り外しが行なわれますが、9ミリ拳銃はそうではありません。
2つ目はスライドには「9mm拳銃」の文字、シリアルナンバー、各自衛隊ごとのマークが刻印されており、これは自衛隊武器マークとも呼ばれます(Wはweaponの頭文字)。
ちなみに
陸上自衛隊向け:桜にW
海上自衛隊向け:桜に錨にW
航空自衛隊向け:桜に翼にW
と保有組織が分かるようになっています。
もっとも、普通の小銃手では支給されず、幹部自衛官、戦車車長(幹部または陸曹)、84ミリ無反動砲手、01式軽対戦車誘導弾手、79式対舟艇対戦車誘導弾および87式対戦車誘導弾の操作手役の陸曹、警務官などが装備するが、2000年代に入ってからは、市街地戦闘訓練や海外派遣時に一般の隊員も拳銃を装備するようになりました。中央即応連隊では大半の隊員が装備しているが、員数分配備されていないのが現状。
その為、もしゾンビ相手なら武器の使用制限が解禁された場合のみ、一般隊員にも支給されるでしょうが、問題は取り扱いスキル。幹部自衛官で年間30発、機甲科などでは年間12発ほどしか訓練うけてません。
ゾンビ対策にはやはり通常は89式自動小銃やミニミ機関銃、予備武装扱いの64式自動小銃の方が基本でしょう。まあ、指揮官用の武装ですから自衛用、気休めのアイテムだったりします。
ただ、本来、指揮官がもつ銃は命令違反、反逆行為をしたバカへの見せしめのための一発を撃ち込むためですが。自衛隊ではそんな使い方はしないでしょう。
後、駐屯地を警備している警務隊には全員装備させています。ので、警備の人員が殺られたら代わりに持たされる可能性もありますね。