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お花畑に行ってきます

 結局、福引で当てた勇者風セットは売り払い、革の鎧と木刀を購入したヴィオラはそれをミロにプレゼントした。


「本当にいいんですか?」

「いいんですいいんです! ミロくんが当ててくれた勇者風セットを売ったおかげで儲かりましたしっ! それに装備があった方が、効率よくお金稼げますわ! ミロくんは私にお金を返したいんですよね。だったら受け取ってください!」

「あ、ありがとうございます!」


 やっとのことで装備を受け取ってくれたミロ。ヴィオラは、ふぅと一仕事終えたかのように汗を拭った。


「と、ところでミロくんは、見たところ冒険者のようですけど、何処へ行く予定でしたの?」


 村の外に出た直後、ヴィオラがミロに訪ねた。


「僕は、この世を支配している魔王を倒すために、この近くにあるソノヘン村からやってきたんです」


 魔王を倒す……。

 その言葉を聞いたヴィオラはドキッとする。

 どうしよう……。ついこの間、その魔王と真のボスである大魔王を倒してきたばかりなんですけど……。

 世間一般的には、まだ魔王が倒されたことは広まってはいない。だが、魔王の支配力が弱まれば、おのずと皆も魔王が倒されたことに気付き始めるだろう。そうなれば、当然ミロが旅をする理由も無くなりパーティも解散!

 そ、そんなのいやああああ!

 そ、それに、実は魔王を倒したのが自分だとミロくんがもし知ったら……。


「魔王を倒したのがヴィオラさん?! しかもレベル53万だって?! そんな化物みたいな人とはこれ以上一緒には居られません! 実家に帰らせて頂きます!」

「待ってえ! 私を見捨てないでぇ!」


 そ、そんなのいやああああ!

 自分を置いてさっさと行ってしまうミロ。そんな想像をしてヴィオラは青ざめる。

 まずいわ……。なんとしても自分がレベル53万だと言うことがバレないようにするのははもちろんのこと、魔王もなんとかしなくちゃ……。


 ヴィオラは、懐から懐中時計のような物を取り出した。


   魔道具No.3

   名称【 生体ウォッチ 】

   効果【 登録した対象の生体反応を確認できる 】 


 情報を入力してスイッチを入れると、生体反応が二つ。

 良かった、どうやらまだ二人共生きていたみたいね……。後は、ここからどうやって離れるかだけど……。


「み、ミロくん。ちょっと私……」

「? どうしたんですか?」


 モジモジしながら、ヴィオラがミロから離れる。


「ちょ、ちょっと……」

「どうしたんです?」


 トイレに行きたいと言おうと思ったのだが、恥ずかしくて言えないヴィオラは、察して欲しいとジェスチャーで合図するが、鈍感なミロは気がつかない。


「顔を真っ赤にしてどうしたんです? そんなにモジモジして、何かありましたか?」


――ポピーッ!


 恥ずかしさの余りに水蒸気が吹き出したヴィオラは、頭が真っ白になり、思わず女性が言ってはいけない一言を言ってしまった。


「うんこ!」

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