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「そういえばキノコ、このスーパーでバイトしてたな」
人の少ない近所のスーパーに入り、ハヤシライスのルウを手にした僕は、思い浮かんたことをそのまま口に出していた。先週に始めたばかりでまだレジ係がうまくできないのだと、珍しく弱音を吐いていた気がする。まぁそんなことは置いといて早くルウを買って帰ろう。甘口しかキノコは食べないんだよな。
そして案の定、僕はレジに生えているキノコを見つけてしまった。ここでの制服にあたるエプロンが案外似合っていて可愛い。
「お会計は千円になります」
「あの、このハヤシライスのルウは半額なんですけど?」
ペタリと張られた黄色のシールを僕は主張した。
「す、すいません」
可愛らしい声で謝った店員もといキノコはまだ僕に気付かないらしい。
「ありがとうございました」
モゴモゴと接客してくれたキノコはとても新鮮だった。最後まで気付かなかったけど、キノコの素の接客が見れたので良しとしよう。まぁ、どれもこれも明日になってからのお楽しみだ。あとは渡すタイミングを考えればいいかな。やっぱりここは放課後の屋上で渡すかな、いや、あえて朝一にするのもありだよな。ダラダラ歩きながら、僕はそんなことばかり考えていた。
まだ短い文しか書けないですが。よろしくお願いします。