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ほんの一瞬のロマンス260303

作者: 朝日奈流星
掲載日:2026/03/03

彼女と彼のほんの一瞬の出来事

その先のストーリーは・・・

彼は友人である彼女に連絡してみた


10日ほど前に車を運転中に偶然にも彼女と出会い


埠頭で彼女が淹れてくれたコーヒーを飲んで以来だ



『いつでも連絡してくれていいのよ』

という彼女の言葉に甘えて連絡したのだ



『この前は美味しいコーヒーをありがとう。今日、もしよかったら食事にでも行かないか?都合が合えば、だけど』


『ほんと?今日なら時間あるわよ』


『よかった。後で部屋まで迎えに行くよ。何が食べたいか考えておいてくれ。積もる話もあるかもしれないし』


『積もる話があるかもしれないって・・・あるんでしょう』


『うん、まぁお互いの近況報告とか、な』


『いいわ。出かける前に連絡ちょうだい』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



彼女の部屋のインターフォンが鳴った


『今着いたよ』


『どうぞ。上がってきて』


『この部屋に来るのは随分と久しぶりだ。あまり変わってないね』


『そりゃそうよ。そんなに変わってばかりじゃ身が持たないわ』


『そういえば、今日は雛祭りじゃないか。何かお祝い事しよう』


『やめてよ。そんな歳じゃないわ』


『分かってるよ。でも、一応・・・』


『やめて。そんなのはいらないの』




(彼女は端正な顔づくりだ。しかも要点だけを口にする。文字に起こすと冷たく感じるかもしれないが彼女は終始笑顔だ)




『分かったよ。で、何か食べたいものあるのかな?』


『わたし、ピッツァが食べたいの』


『オッケー。イタリアンだね。カジュアルな店を知ってる』


『それにビール。銘柄は「ハイネケン」でないとダメ』


『こだわりがあるんだね。よし、とりあえずその店に行こう。ハイネケンがあるかどうかまっ先に聞いてみよう』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




彼の運転で目的の店に着いた


『ピッツァを食べたいんだけど、ビールの「ハイネケン」はある?』


「はい。ございます」



これで決まりだ



彼は彼女がビールくらいで酔っぱらうことなどないことを知っている


酒に弱かったらピッツァの店にも行かなかっただろう



彼は彼女のグラスに「ハイネケン」を注いだ


彼女はひとしきり食べて呑んだ


少しだけ酔いが回ると饒舌になるのはいつものこと


彼は車の運転があるので飲み物はアップルサイダーにしている



お互いの近況報告も兼ねてひとしきり話した後



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『送っていくよ』


『うん、ありがとう』


彼女の部屋に着くなり

『泊まっていってもいいのよ?男性用のパジャマならあるの。ソファベッドもあるけど』


『今夜はいいよ。明日が早いんだ』


『あら、そうなの。でも今夜はありがとう。久しぶりにたくさん話せたわ』


『僕のほうこそありがとう。退屈な夜を過ごさずにすんだよ』


『またお話しましょ』


『ぜひ、そうしよう』




彼女は、彼がゲスト用のパーキングに停めた車に乗り込むのを部屋の窓から見て

手を振った


その先のストーリーは

ふたりの気持ち次第

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