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ワールド★スター『神様が再現失敗した世界の立て直し』  作者: 海華
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7『…なるべく早く戻りますね』


「ちょっと待ってくださいね」


全員がキョトンとする中

すっと立ち上がって、出入口の方に行く。


そして扉の外に出て


「ヤシロさーん。変な人に絡まれてご飯食べられないんです、助けてくださーい」


と、大きな声で孤児院にいるヤシロさんを呼んだ。


「なっ、お、お前っ!」


「食事中に絡まれても本当に邪魔なんですよ。見た感じ『砂漠のオアシス』の方ですよね?なら幹部の方にクレーム入れた方が早いじゃないです「トール!!!!!」」


凄まじい勢いで走ってきたヤシロさんは、私の前を駆け抜けてトールさんを飯屋の外に引っ張り出した。


「悪いないすず。こいつには言って聞かせておくから」


「よろしくお願いします、ご迷惑をおかけしました」


店の中の人にペコッと頭を下げて席に戻ると……ぷっとシャードさんが笑いだした。


「く、くくく、君ねえ…」


「ダメでした?相手したくなかったんですもん」


「いや……僕も幹部なんだけどね?」


僕も幹部…はっ!

そういえばそうだった!!

完全に失念していてやばいと思いつつまあ笑っているから問題は無いのだろう。

外から殺気とか悲鳴も聞こえてくるけど問題ないだろう。


『お前さあシャードはともかく、いすずさんには絡むんじゃねえ。彼女は今うちでスカウト中の超重要人物だ。下手に絡んで断られたら処罰ものだぞ』


ついでに私も準幹部だけどまあいいか。

私って対外的にはそういう扱いなんだなーと思いながら食事の続きを再開した。



広場にもテントの類は複数立っていて

本当に人が増えたなーってのんびり思っていたんだけど……。


「村にいるの、村人以外は全員『砂漠のオアシス』の構成員だよ」


寝る前にそう言われて心底驚いた。

え、じゃあ私……メンバーさんたちの前で幹部とご飯を食べて、幹部をこき使ったのか。


……ちょっとだけやっちゃったかな。


孤児院と、孤児院の子達に採取させているという情報を秘密にするため

『砂漠のオアシス』の構成員でライト村を守っているらしい。

いやまあここを紹介したのは私だけどそういう話は教えてほしかったなあ。


「いや、幹部グループで話題になっていたからね?君が見てないだけだよ?」


「そんなの知らないもん」


「…君ねえ、小さい子じゃないんだから」


シャードさんは軽くため息を着くけど

それでも優しそうに笑った。

思えば彼も丸くなって甘くなってきたものだ





錬金でしか手に入らない『黄金の林檎』

それがなぜ気軽に手に入ったのか……嫌な予感はしたんだ。

無いはずのものをわざわざ追加したんだよ、容量がないこの世界で。


神様がそんな無駄なことをしたのかなと……疑問に思っていたんだ。


カタカタ……カタカタ……


ふっと、目が覚めた。

後ろから私を抱き込むシャードさんの腕を剥がして…彼の頭を撫でてからゆっくりと扉の元へ行く。


ーーーー音が、無い。足音も、衣擦れの音も。虫の音も、風の音も。


カタカタ……カタカタ…

扉を開ける音すら聞こえず…扉を開けると、外には濃い霧が漂っていた。


カタカタカタカタ


そして入口に寄りかかりながら外を見ていると…御者も馬もいないのに動く、1台の馬車が停車した。


キィー…


そして馬車の扉が開き、馬車の中のボッと灯りがともされた。

そう、まるで誘い込むかのように。


『……お乗り下さい、使徒様』


「……連れがいるんだけど」


『…申し訳ございません、使徒様以外の方の命は保証できません。お連れ様に気づかれないうちにお返しする努力は致しますので、お願い致します』


存在しない林檎のドロップ

使徒様と呼ぶ……馬車の付喪神。

周囲を覆う濃い霧、音の出ない世界………目覚めない、シャードさん。


間違いなくこれは神の意思だ。


はぁとため息をついて寝具から防具に装備を切り替える。


「…なるべく早く戻りますね」


寝てるから聞こえるわけがないのに

それでも無言で行くのは気が引けて


シャードさんにそう声をかけてから、私は馬車へと乗り込んだ。





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