5『やりたいことは選べないけど、やりたくないことなら選べるよ』
「次はどこに行きます?」
「君はどこがいいと思うの」
みんな方々に去っていって、シャードさんの家の中で今後の方針を練る。
今後、かあ。
「目的しだいですね。装備を探すか、レベルをあげるか、ボスを目指すか。1度神様に今後の方針伺うのもありだと思いますけど、とりあえず何をしてもいいと思うんですよね。だから、シャードさんがしたいことをどうぞ」
「やりたいことは選べないけど、やりたくないことなら選べるよ」
「それは?」
「僕、数年間転職できないからレベル上げをし続けていたんだけどね……さすがに今まで倒し続けたやつをまたやるのは嫌かな」
「あー、それは分かります。……じゃあ、とりあえず楽しいことしましょうか?」
「……楽しいこと?君が言うとすごく怖いんだけど……」
「『ウインドサークル』『ウインドサークル』間引いたよ!」
「はいっ、『トリプルショット』」
シャードさんが半身くらいもある蝶の敵を殲滅すると、空いたスキマを縫って…樹木にトリプルショットを打ち込む。
ぽぽぽん
-林檎
-シロップ
-林檎の木材
「よし、5個目!」
森林地帯。
虫から動物まで色々なモンスターが蔓延るフィールドで………同時に食材の宝庫でもある。まずは鉄板のはちみつを100個程確保してから…高エリアに向かう。
ここは140レベルの蝶タイプの敵が出る。蝶は強く、さすがに悠長に採取していられないけれど、それでも採れる果物は……今後の食事を豊かにするとあってシャードさんも割と乗り気だ。シャードさんよりも格上だから経験値もそれなりに入るしね。
「止まって、『ウインドスピア』あの木、よく見ると色が違うよ」
「本当ですか『トリプルショット』っと」
シャードさんに言われないと分からないくらいうっすら色が濃い木。
ぽぽぽん
-黄金の林檎
-林檎
-林檎の木材
それからのドロップを見た瞬間、思わず目を見開いた。
黄金の林檎。それは一個でHPとMPが完全回復するアイテムであり……
不死地帯のボス、始祖吸血鬼のエルダーを呼び出すためのキーアイテムだったからだ。とはいえ……コレは樹木からのドロップでは無かったはずだ。
「集中して」
「あ、すみません『集中』」
スキルのことを言われたのか分からないけれど、集中の効果時間も切れそうだったから慌ててスキルを使って……周りを見る。
けれど色が違う木というのがどうも見当たらない。
「…『お宝の気配』」
慌てて感知系のスキルを使ってみても、特にわからない。
「『ウインドスピア』『ウインドスピア』」
「シャードさん、色が違う木って分かりますか?
」
「えぇ、見ればわかるでしょ…アレ
「『トリプルショット』」
いや全然分からないけれど。
アレって言われた樹木を打ってみる
ぽぽぽん
-黄金の林檎
-林檎
-林檎の木材
…本当に出た。
「…シャードさん一旦引きましょう。嫌な予感がします」
「…まあそれなりに果物は取れたしね」
なんだかボスに呼ばれている気がする。
そんな予感がして………私はシャードさんに頼んで撤退をさせてもらった。
なぜ、樹木から黄金の林檎がドロップしたのか。
またゲームとの差異が出てきて…神を疑いたくなる。




