2『A班、左から冒険者が来てるぞ』
100レベルになってから1週間後。
海底は地獄と化していた。
「もう嫌だ…太陽が見たい…」
「頑張ってくださいマスター、書類仕事とかは引き受けますから」
「…クッキーじゃもう癒されないわ…」
「はちみつマフィン持ってきたよルルティアちゃーーーん!頑張って!」
「A班、左から冒険者が来てるぞ」
潜って2日目。豪運を引いたのかルイスさんが指輪を掘り当てた。その指輪をメインクエストで消化して、転職クエストが発生した瞬間
幹部グループが湧いた。
『2次転職クエストきたああああああああ』
『まじ!?』
『うわ、ホントだったのか』
『本当だって言ったじゃないか』
『悪いブラフかと思ってたわ』
そして手が空いた幹部が差し入れ、敵の間引き、立ち入り禁止の封鎖等を全力でフォローして5日…まだ、2個目は出ず。
夜も水中なのに何故か設置できる松明を設置して採掘をしてるにも関わらず…まだ、出ず。
「あれはきっと夢だったんだ…」
「頑張ってくださいマスター!」
「もう嫌…ムチを手放したい…」
「スコップで掘るか?」
ルイスさんとルルティアさんの心は完全に折れてしまっている。やばさを痛感した、上に混ざれなかった幹部は、感知エンチャント理論値を作って少しでも採取の助けになろうと頑張っている。
まさに砂漠のオアシス、幹部一大イベントである。
「シャードさんあっち」
「うん、気を付けてね『ウイングスピア』」
私は私で、もう1人でもここの採取は出来るんだけど…シャードさんの強い願いもあって採取の護衛をしてもらっている。
レベル135の賢者のシャードさんが使える2次スキル、ウイングスピアは詠唱から発射が早く単体なものののダメージが大きいので単体相手では使い勝手がよさそうだ。
「『採掘』『ダブルショット』」
ぽぽぽぽぽん
ぽぽぽぽぽん
私のステータスもほぼ倍に、武器攻撃力に至っては3倍近く上がったことにより1度の採取で発掘される数も10を超えた。
あの時はスキルにも発掘が乗るのを知らなかったので通常攻撃で3個だったもんなあ。
いやあ、あの30日はキツかった。それだけにルイスさんとルルティアさんの気持ちはわかーーーーーあ。
「出た」
「出たの!?」
過去を振り返ってしみじみしていると
残りの1個。私の転職用の指輪がやっとでた。
「すぐ行くよ」
「え、みんなに報告しなくて良いんですか」
「いいんだよ。掘り当てた君のものってわかっててもみんな欲しいって思っちゃうんだから。使えない状態にされた方が諦めも付くさ」
「それはまあ、そうですね」
シャードさんの言うことももっともなので、私は指輪をインベントリにしまって転職クエストの石碑の元へと急いだ。
-転職クエスト
-女神の指輪を納品してください
言われるがままに2個目の女神の指輪を納品する。
-探索者のランクアップクエスト
-ガンマスターのランクアップクエスト
するとクラスと職業のランクアップクエストが出てきた。
まずはガンマスターの方をタップすると、突然私は別のフィールドに飛ばされた。
「汝、力を求めるか」
そこには大きなゴーレムがいて……ああ、そうだね。ガンマスターのランクアップクエスト、それは
「是!!」
ソロボスバトルだ!!
「ならば我を認めさせよ!」
見た目にそぐわないハイスピードで襲いかかってきたゴーレムから、バックステップで距離をとる。
「『集中』『炸裂弾』」
基本火力を上げて1発打ち込むと……
「あれ?」
1発でだいぶヒビが入った。
そのままもう1発打ち込むと……あっさりとゴーレムが砕け散った。
「あれぇ?」
ゲームではもうちょい苦戦したはずなんだけど。
通常攻撃2発って弱すぎないかな。
「……使徒よ、なんだその凄まじく強い装備は」
あれーと思っていると砕けたゴーレムが逆再生のように、初めの大きな傷1つない姿へと戻って行った。




