12ソロじゃない、楽しさ
「そろそろ時間だよ」
何時間やったか。ふっと気がつけば不機嫌なシャードさんが目の前にいた。
慌てて消音の魔道具を切る。
ルイスさんとルルティナさんは近くの地面に座り込んでて、目が合うと軽く手を振ってくれた。
「……もうそんな時間ですか」
言われて空を見れば、たしかにもう夕方。
んーでもなあ…。
「テント張って夜通しやっちゃダメです?」
「ダメ。それやったら水晶弾をしばらく作らないよ」
「わかりました」
もうちょいインベントリに余裕があるし、出来るならやっちゃっときたかったが…まあ、無理に今日コンを詰めすぎなくてもいいか。
銃をインベントリにしまって、身体をほぐすと思いのほか体はギチギチに硬くなっていた。
「……やばいねかわい子ちゃん。集中力が本当にやばいわ。俺とルルティアが一旦居なくなったのには気づいてた?」
「気づいてましたよ?そこまで集中したらアクティブモンスターがいる中は出来ませんし」
「……私はそのインベントリの容量が羨ましいわぁ。それインベントリ拡張のレベル上げてるのよね?あたし倉庫ださないと無理だったわあ」
「俺も俺も」
「まった、さっさと戻らないとヤシロがキレてるし、君たち昼も食べてないんだろう。とりあえずご飯だよ」
「「「はーい」」」
盛り上がる採掘談義は強制的に止められて
不機嫌なヤシロさんにはちみつと祈りの花びらを譲って許してもらい
その後中央王都の片隅で、ヤシロさんの家…ほぼ飯屋でヤシロさんのご馳走をみんなだべりながら食べる。
ああ、なんか昔を思い出すなあ。
「わかる!10%でもインベントリ拡張はでかい…!」
「10レベで10倍だもんねぇ、あたし探検者からほかの職にもう戻れないわ…」
あのころ、ワルスタで見たような。
楽しい楽しい時間が戻ってきたようで
「ようこそ採掘沼へ」
今は何も考えずにひたすら楽しんだ。




