3世界に投げられた波紋
sideシャード
「お前はいったい、今何をしてるんだ」
ここ数日、さすがに隠す気が無く暴れすぎたため……クランホームに呼び出された。
その場にはクランマスターだけでなくサブマスターや幹部まで揃っている。
「ドーンからの報告ではある日シャードがやってきて大量の水晶や銅鉱石、桃水晶を売りに来たとあります」
「俺の元には樹液、桃水晶、真珠とかを投げ売りしに来たよなあ………やりすぎた、シャードお前何をしているんだ」
「蜜月」
端的に言えば一瞬全員が固まってから…あー、とかうーんとか、ちょっとニヤニヤ笑いだした。言っといてなんだけど…すごいムカついてくる。
「それはまあ、その、おめでとう?そ、そうか、蜜月なら呼び出しに応じられないのはまあ仕方ないな……うん、それは納得しよう。だがこの素材の山はなんだ」
そう言ってクランマスターが机に取り出したのは…200を超える桃色水晶だった。
「正直俺たちはこれを使う。だが数が異常だ……これはお前が今まで貯めていた物を売っただけなのか?もし短期間で入手するすべが出来たのなら……指名依頼を頼まないといけない事態だぞ」
まあ、そう言われるのは理解していた。
理解していたのでその返答もきっちり用意してある。
「僕、そんなことしてられないくらい忙しいんだよね」
「いやいや、それはわかるが基本たまに道に落ちてるのを拾うくらいしかできない桃水晶をこの数は…」
ごとり、と上級桃水晶をテーブルの上に置く。
瞬間全員が息を飲んだ。
桃水晶はエンチャントの際に使用する追加アイテムだ。桃水晶を使用すれば…ランダム数値の上限50%が確実に出る。
上級桃水晶の場合……上限30%以上が確定だ。
ごとり、ごとりと何個もテーブルに並べていくと全員が押し黙った。
「……これも入手可能って言いたいのか。だがますます指名依頼を出さざる得なくなるだけだぞ」
「…多少ならいいさ、これが欲しい君たちの気持ちは少なからず僕もわかるつもりだよ」
「そうか……なるべく数は絞ろう」
「でも、僕は本当に忙しいんだよね。恋人を愛でたいし、新しいエリアも行きたいしで」
そして最後に……冒険者ギルドカードを机の上に置くと…クランマスターはそれをひったくるように奪い取った。
「……2次職賢者だと…!!!!!」
「なっ」
「どうやったんだ!」
「何をやったんだ!」
冒険者ギルドカード、そこには僕のクラスの情報が書かれている。
誰もが目指し…そしてつまづいている2次職。
正直な話僕も、いすずがいなければ一生転職できた気がしない。
「さてどうしようか、僕もお世話になっているクランの貢献したいのは山々だが忙しい身だ……僕はどうすればいいかな、マスター?」




