2バグ
売上だけを見たら間違いなく土や石を掘るべきだが、今更パン一択の生活には戻りたくない。
それに既に樹液は確保してあるがシャードさんとの契約もある。数はいくつあってもいいしシロップが取れれば儲けものだ。
というわけでなるべく木陰近辺にいるパチェリーに狙いを定めてパチェリーと木の採掘を繰り返す。するとシャベルの耐久が土を掘る時よりも早く減っていくのがわかった。
「やっぱり土より木の方が硬いから?でも、昨日適正なんて分からないからなあ」
木と言えば斧である。でも、この世界には斧は存在していない。
じゃあどうやって木材を採取するのか?知りません、神様に聞いてください。
「そもそも採掘成功後何事も無かったかのように戻るもなあ。あれかな、一定のダメージを物体に与えればドロップが湧いて再生するのかな」
となると、土も木も実際はモンスターと同じなのではないだろうか。
ダメージを受けて、アイテムを残して消えてどこかでまた湧くモンスター
ダメージを受けて、アイテムを残してその場で再生する土木
そして、適正武器じゃなくても成功する採取。
なんとなくだった。
射撃準備が整った銃の頭身を、地面に向けて採掘スキルを発動させながら……撃つ。
「……嘘でしょ」
そこには複数の水晶や木の根、ポーション類がえぐれひとつない大地の上に鎮座していた。
無言で数発大地を撃つ。その度にボコボコと地上に溢れ出る採掘品。
「………こんなんバグやん」
何をしてるの、あの神様。
頭に手を置いてはぁーーーっと深くため息を吐く。
採取専用装備を決めるなり、適正ツールを作るなりなんでもできたじゃないか。
銃でバンって撃てば採掘完了とか……採掘を舐めてんのか。
ふつふつと怒りが込み上げてくる。その間も手は止めず木やパチェリーや土を撃ちまくるけども。
こちとら色んなゲームで採取とか採掘をやりこんでるんだぞ。自動採取だってここまで楽じゃない。というか、これだと最早採掘なのかモンスター討伐をしているのかわからなくなってくる。
「……とりあえず帰ったら、水晶の弾丸を作れないか聞いてみよ」
採取楽でいいけどさあ…不満を覚えつつもそれはそれ、これはこれだ。
弾が切れるまでありとあらゆるものを撃ち、今後の方針に修正を加えるのであった。




