甘味好き冒険者
「あ、先にこれ渡しておきます。今日の成果です」
-塩結晶x12
-樹液x18
-シロップx3
-木の根x14
-葉物野菜x8
胸を張って取り出すと女将さんは唖然としてから…ふっと笑った。
「あんたはもう、本当に……ありがとうね。でも無理はするんじゃないよ。樹液が50,塩結晶と葉物野菜が30,木の根は10でいいとして…このシロップはとんでもないものだよ。こんなの王都の方で売った方が高いんじゃないかい?」
「そうですね王都でもなかなか出回らない貴重品ですね」
女将さんに話を振られた魔術師さんはじいっとシロップを凝視していた。
そうか、甘味はそんなに貴重なのか……でもなあ……あの疲労回復感を知ってしまうと…正直、甘味は食べたい。
「…ちなみにおばさん、このシロップを使ったら何が作れますか」
「……そうだねマフィンや、ミルクセーキ、パウンドケーキにパンケーキ……作れるけど、あんたまさかこんな高級食材を食べるきかい!?」
美味しそう。口の中にヨダレが溢れてきそうだ。
女将さんに熱視線を送り見つめ合うことしばらくして、女将さんは「あーもう!!」と呟いてから困ったように笑って頷いてくれた。
「わかったよ、でも他の食材の仕入れもあるから1個銅貨300枚は覚悟しておいてよ!!ちなみにシロップ1個で何個か作れるから残りの2個は取っときな「言い値で買おう」」
女将さんに返却されたシロップ。だがしかし女将さんが言い切る前に口を出す、隣の魔術師。
まあ、そんなに感じはしていたよ。
「……言い値も何も、参考になる価格も分からないですよ」
「なら市場価格を調べてその倍の値段で買おう」
「いや市場価格でいいですよ…」
本当にこの人甘味好きだな。
鱗と同じ青緑色の瞳は真剣で、でもその内容が甘味に関することなのでもう笑いが込み上げてやばい。
「その代わり、美味しい甘味が出来たら1個分けてくださいな」
「誓おう」
「んで、女将さんは買取査定1000銅貨でいいのでおやつとクッキーと今日明日のご飯でお願いします」
「全く、はいはいわかったよ、設けさせもらう分食事の質をあげておくよ」
魔術師さん重いなあと思いつつこれで食品系については解決した。ので、雑貨屋に行くのだけど……なんか魔術師さんはついてくる。
「…あの、なにか私に用があるんですよね?」
「ああ、ある。だが君の用事が終わってからで構わない。先に雑貨屋に向かうといい」
気になるんだよなあ。
ちょっと付きまとわれるの嫌なんだけど……まあ顔はいいし女性には困って無さそうだしどうせ採取依頼だろう、多分甘味の。諦めて魔術師さんを引き連れたまま雑貨屋へとはいる。




