採取用装備
思いのほか採掘の日当が高すぎて一日でノルマを達成してしまった。
ホクホク気分で雑貨屋のおじさんと息子さんと奥さんと一緒に飯屋に戻る。
……雑談ついでに飯屋にも納品をしたら定食入荷したらしいですよと言ったら速攻で店じまいしたのには笑った。美味しいご飯は正義である。
「さて、今日は水晶装備でガチ採取をしますか」
取りに来いと言っていたのに、朝食を食べるついでに水晶シャベルとツルハシを届けてくれた雑貨屋のおじさんを思い出して笑いつつシャベルを構える。
『良いか、水晶も欲しいが食材を頼む。くれぐれも、くれぐれも頼むな』
そういったおじさんの目はマジで一緒にいた息子さんはごめんねと笑っていた。ちなみに雑貨屋のおじさんが錬金術師、息子さんが鍛冶師だそうだ。奥さんは裁縫師で家族みんなで雑貨屋らしい。
飯屋の旦那さんは冒険者で色々な素材を仕入れてるそうだ。と言っても塩結晶や樹液、お酒とかは行商から仕入れたり街にワープして買いに行って、こちらからはパンやモエモエのジェルを売って村の生計を立てているそうだ。
先端が水晶に加工されたシャベルを土にぶっ刺し……ほる!!
「おお、掘りやすい」
木の喋るとは桁違いの掘りやすさだ!
掘る時間も木の半分くらい…数分で掘れた。
「気持ちいい…!」
サクサクほいっ
サクサクほいっ
土でもこれなら砂なら…と思い砂を掘ると砂は何と1ほりで採れた。
だが採取スピードが上がると、それだけ耐久の減りも早いもので水晶シャベルは半日ほどで壊れた。ついでに疲労度も昨夜波まで疲れた。
だが、今の私には力強い味方がある!!
「ふふふ、クッキーにサンドイッチセット。美味しい〜」
おばさんのパンは美味しかった。だが、肉や野菜が挟まったサンドイッチは最早格が違う。
そしてデザートはおばさんがくれたクッキーは全部で五枚。昨夜一枚食べたけど本当に美味しかった。それこそ日本で食べた高級クッキークラスだ。
「癒される〜」
もうね、疲労がみるみる回復するのがよくわかる。
サンドイッチとクッキー一口で疲れが全快した気がする。
あれかな、疲労回復成分があるためか味以上の美味しさを感じる。多分そういうことなんだろう。
と、うっとりしながらモエモエでうじゃうじゃのフィールドをのんびり見ていると……道の向こうから冒険者がやってきた。
おお、村人意外の初遭遇だ。
ローブと杖をまとってることから装備的にきっと魔法使いかな?
冒険者さんは範囲魔法を打ちながらこちら側に向かってくる。あれは風魔法のウィンドサークルかな?となるとランクアップを1回済ませてるのだろう。いいなあ範囲攻撃。便利なんだよなあと眺めていると、私の前をとおって村に行くであろう冒険者は……じっと私を見て立ち止まった。




