装備は慎重に
「よう、随分装備がボロボロだな。大丈夫か」
「査定額次第で服の新調も頼みたいんですよね。これの買取ってお願い出来ますか」
心配そうな目で見てくるおじさんに苦笑いを返しながらカウンターの上に銅鉱石と水晶を置くと……おじさんの目の色が変わった。
「お前これは…」
「飯屋のおばさんが、雑貨屋のおじさんが踊り出すって聞いたんですけどどうですか?」
「……ああ、いいな。こいつは良い、是非とも買い取らせて貰おう。で、欲しい装備はなんだ?」
「とりあえずシャベルと、ツルハシ、あとMPポーションとかを買った上で余裕があればテント、防具、武器ですね」
「…うーむ、と、なるとだ……シャベルやツルハシ品質はどんくらいのもんがいい?」
「そうですね…今回は今朝より良いものが欲しいです。使い比べしてみたいので」
木のシャベル(銅貨10枚)
より上だと石のシャベル(銅貨50枚)
かな。行けるかなあと思いつつ聞いてみるとおじさんはうーんとうなりだした。
「まず査定額だ。水晶も銅鉱石も1個銅貨100枚で買い取らせてもらいたい」
「ヒョエッ」
2000以上って価格ぶっ飛びすぎでしょう。
モエモエのジェルよ……。
「で、だ。うちに置いてある武器だとだと木の上だと石しかねえ。と言ってもこれはかなり大きな街まで行かねえとこんなもんだと思ってくれ」
「そうなんですね」
「石の上の武器だと基本的には鉄だからな。鉄鉱石が採れるとこじゃないとなかなか常設販売は出来ねえんだ」
「あー、それは仕方ないですね」
鉄鉱石が取れるのってどこだったかな。確か砂漠地帯に鉱山はあったようなとゲーム知識を思い出していると、「だがな!!」とおじさんが力説を始めた。
「この水晶を使えば石以上、鉄未満のブツが作れる。硬度は石と同じだが、なんでも良いものが取れやすくなるらしいぜ」
「ほう」
となると幸運か感知がついている装備なのかな。それはとても欲しい。
「人のスキルにどうこう言いたかねえがこれを持ってきてるってことはお前さん採掘とかそっち系が出来て、シャベルやツルハシもそっち系で使うってことだろ?作成料はかなりまけてやる、だから水晶のシャベルとツルハシを作らねえか?」
「…自分としては嬉しいんですけど、いいんですか?」
「何、今後も買取でご贔屓にしてもらいたいっつー下心込みよ。いいもん仕入れてくれんなら先行投資だ。水晶3つで、水晶のシャベルとツルハシを一本づつと、ミニMPポーション50個でどうだ」
「お願いします」
後で聞いた話によると水晶武器は一本150-200銅貨もするらしい。それを300銅貨分のお値段で2本とミニポーション付き。
まだまだしょぼしょぼの自分にこの時の雑貨屋のおじさんはだいぶ先行投資をしていてくれたようだ。
「了解。明日の朝までには作るからシャベルとツルハシは明日取りに来てくれ。で、残りは銅貨1800枚分だろ、テントはピンキリだがどうする」
「うーん…」
防具は今着ているものも上だと革鎧シリーズで悩まずにすんだけれどテントはだいぶムラがあった。
最低のテントで風をしのげる程度で500枚
防水テントで900枚
気配遮断エンチャント付きで2000
気配遮断、防寒防暖エンチャント付きで3000
気配遮断、疲労回復エンチャント付きで3000だった
「今日寝泊まりするとこは何とかなるのか?ないならうちに泊まるか?」
「あ、今日は飯屋さんのところに泊めてもらえる予定です、ありがとうございます」
「そうか、なら俺のおすすめとしては気配遮断、疲労回復つきのテントだから今日は防具だけでテントは金を貯めて買うのをおすすめするぜ。泊まるとこがあるなら今すぐ買わなくても何とかなるだろ」
「…ですね。じゃあ革鎧の上下と靴をお願いします」
「あいよ、買うんなら帽子も買っとけ」
「じゃあそれも」
「もろもろ差っ引いて銅貨1600枚だな。武器も買うか?」
「そうですね、買っときます」




