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第6話:三枚目悪役令嬢、おならで空を飛ぼうとする
【石板の新発見:でも解釈が三枚目】
「天空の庭園…ここに記された『浮揚の術』とは?」
クロノが石板を慎重に解読する。一同が食い入るように見つめる。
ミントだけが別のことを考えている。
「ねえ、これって…おならで空飛べるんじゃない?」
「「「は?」」」
一同が凍りつく。
「だってさ」ミントは真剣な顔で指を折りながら説明する。
「おならってガスでしょ? いっぱい出せば、浮くんじゃない?」
「…浮力の計算がまるで」(クロノ、頭を抱える)
ロイドが丁寧に訂正する。
「ミントさん、人間のおならの主成分は…」
「水素とかメタンとか! 軽いよね!」
「確かに軽いですが、量が…」
【三枚目科学実験:第一回】
ミントは早速“実験”を始める。
材料集め:
· 豆(おなら促進用):大家から分けてもらう
· 気球(代わりに):ゴールドマンが持っていた貿易用の風船
· 計測係:仕方なく付き合うクロノ
「よし! まずは豆をいっぱい食べて…」
「待ってください、ミントさん」(エリアが心配そうに)
「何か問題ある?」
「あまりに…下品では?」
「でも科学のためだよ! …たぶん」
結果:
三時間後。
「…ふ、ふー…」
「どうですか?」(クロノ、距離を置いて)
「お腹が…パンパン…でも、まだ飛べない…」
ミントが立ち上がろうとして、よろめく。
「あ、ちょっと…浮いた気が…」
「それはめまいです」(ロイド)
【本格的な浮揚の術】
一方、クロノは石板を正確に解読していた。
「…なるほど。これは『反重力魔術』の一種だ」
「魔術!? それなら私もできるかも!」
「あなたは魔力の素養が…」
でもミントは聞いていない。
「よし! じゃあ、おならに魔法をかければ、もっと強力になるよね!」
「なぜおならに固執する!」(一同)
ジルが仲裁に入る。
「…ふむ。確かに、ガスに魔力を込めるという発想は…ないでもない」
「ほら! 王様も賛成!」
「私は賛成など…」
【第二回実験:魔法×おなら】
クロノの指導で、魔術の基礎を学ぶミント。
「まずは魔力を感じて…」
「んー…なんか、お腹がグルグルする」
「それは豆のせいです」
それでもミントは頑張る。
「よし、魔力を…おならに込めて…」
「今のはただのおならです」(クロノ、鼻をつまんで)
バルガスが遠くから叫ぶ。
「おい! 換気しろ! 店が使えなくなる!」
「これも研究のためだよ!」
【意外な成功:でも目的と違う】
三日目、ついに“変化”が。
「今のは…ちょっと違う」
「確かに、魔力的な波動を感じます」(クロノ)
ミントが放出した“魔法おなら”は、通常のものと明らかに違った。
· 色:微かに虹色
· 匂い:不思議と花のような香り
· 効果:近くの小物が浮いた!
「わあ! 浮いた! でも…小石だけ」
「出力が足りませんね」
エリアが提案する。
「…魔力増幅の薬草とか、ありますか?」
「ある!」マヤが得意げに。
「でも、それは強烈な下剤でもある」
【重大な決断】
「下剤と魔力増幅…両方飲んだら?」
「それは危険すぎる!」(一同)
でもミントの目は輝いている。
「でも、空飛べるかもしれないよ! 天空の庭園に行けるよ!」
「命あっての物種です」(ロイド)
「ミントさん、無茶は…」(ジル)
その時、アンシェント(古代守護者)が現れる。
「…我の時代にも、似たような試みをする者はいた」
「ほら! 昔の人もやってた!」
「だが、彼らは…空中分解した」
「え?」
一同が凍りつく。
「…細かく砕かれて、雨のように降り注いだと聞く」
「やっぱりやめとこう!」
【代案:別の方法で】
ゴールドマンが現実的な提案をする。
「ワタシが、飛行船を調達しよう。貿易用に一隻、予備がある」
「でも高いでしょ?」
「利益の…」
「「「わかった!」」」
バルガスも同意する。
「それに、浮遊島へは、普通に登る方法もあるはずだ。山から続く『天空の道』が…」
「でも、それじゃつまんない!」
ミントはまだ諦めきれない。
「魔術とおならの組み合わせ、もうちょっと研究すれば…」
「ミントさん」エリアが優しく諭す。
「あなたが空中分解したら、レオが悲しみますよ」
「…そっか。レオちゃんか」
ミントは考え込む。
「…じゃあ、少しだけ研究続けていい? 空中分解しない程度に!」
「「「ダメです!」」」
【結局:飛行船で】
数週間後、ゴールドマンの飛行船が到着する。
「わあ! でかい!」
「これなら安全に空を飛べる」
一同が乗り込む。ミントだけが少し不満そう。
「でも、おならで飛ぶ方がロマンあったのに…」
「ロマンより命です」(ロイド)
飛行船はゆっくりと浮かび上がる。
「おお…すごい! 町が小さくなる!」
「初めての空中散歩だな」(ジル)
エリアがレオを抱き、空を見せる。
「見てごらん、レオ。これが空だよ」
【空中でのハプニング】
高度一千メートル付近で、問題発生。
「…風が強くなってきた」
「操縦が難しい!」(ゴールドマンの部下)
船体が大きく揺れる。
「きゃっ!」
「しっかりつかまれ!」
その時、ミントが“あること”に気づく。
「あ…さっき、豆食べ過ぎた…」
「今ここで言うな!」(一同)
でも、それが偶然にも役立つ。
ぷすっ
(魔法おならが、わずかながら放出される)
「!? 船体が…安定した?」
「あれ? 私のおなら、風を消した?」
クロノが急いで計測する。
「…確かに、周囲の気流が収束している。これは…」
「やった! 私のおなら、役に立った!」
【おなら魔術の真価】
その後、研究が進む。
ミントの“魔法おなら”は:
1. 小型の気流制御が可能
2. 魔力的なバリアを張れる(臭いは別)
3. 何故か植物を成長させる
「…すごい。これは新魔法だ」
「でも、名前が『おなら魔法』じゃ、かっこ悪い」
「では…『腸内魔力放出術』は?」
「長い!」
結局、「ガス魔術」という名前に落ち着く。
【天空の庭園到着】
飛行船は無事、浮遊島に到着する。
「わあ…本当に浮いてる!」
「美しい庭園だ…」
そこには、古代の植物が生き残っていた。
そして、庭園の中心で、もう一人の守護者と出会う。
「…千年ぶりの来訪者か」
「こんにちは! 私はミント! で、あなたは?」
「我は風の守護者。しかし…なぜか、どこか懐かしい香りがする」
ミントがきょとんとする。
「香り? あ…もしかして」
ぷすっ
「…それだ! あの香りは!」
「え? 私のおならのこと?」
「いや、あれは…『天空花』の香りだ。我が庭園に咲く、魔力の花」
【意外な共通点】
風の守護者が説明する。
「天空花は、地中の魔力を吸収し、香りとして放出する。その香りは…」
「おならみたいなの?」
「…表現はどうかと思うが、確かに似た成分だ」
一同が驚く。
「つまり、ミントさんは…」
「空飛ぶお花畑みたいなもの!?」
「…まあ、そう言えなくもない」
ミントは嬉しそうに跳びはねる。
「やった! 私、花みたいだね!」
「…そうかもしれませんね」(ロイド、微妙な表情で)
【帰還:新しい“力”】
庭園から、天空花の種を持ち帰る。
「これを育てれば、辺境でも空気がきれいになる」
「それに、ミントさんの…えっと…『ガス魔術』の練習にも」
ミントはすっかり気を良くしている。
「ねえ、次は海の底に行こう! おならで泡いっぱい出して、水中呼吸できるかも!」
「それは…」(一同、ため息)
「でも、まずは飛行船の修理からだ」(ゴールドマン、船体の傷を見て)
第6.5話:三枚目悪役令嬢、おならで古代都市から苦情を受ける
【深海への準備:でもまずはクレーム】
「深海の古代都市に行きたい!」
ミントの宣言に、一同はまたため息をつく。
クロノが石板を確認する。
「確かに記載はありますが…水深三千米。普通の潜水では無理です」
「でも、おならで泡を作れば…」
「あなたのおならは空気中では効果的ですが、水中では別の問題が」
その時、突然。
ゴゴゴ…
店内に奇妙な振動が走る。
「な、なんだ!? 地震!?」
「違う…これは…」
アンシェント(古代守護者)が慌てて現れる。
「…まずい。我が、古代都市の同胞から、通信が来ている」
「え? どんな?」
アンシェントが困惑した表情で言う。
「…『あの地表のガス放出、止めてくれ』と」
一同:「「「え?」」」
【古代都市からの正式な苦情】
アンシェントが石板を通じて“通信”を受信する。
声は水泡を思わせる、ふんわりとした響きだった。
『地表の住人よ。我は深海都市ルミナスの守護者、アビスと申す』
「こんにちは! 私はミント!」
『…お前が、あの“強烈な地表ガス”の発生源か』
ミントがきょとんとする。
「強烈な…あ! 私のおならのこと?」
『お前はそう呼ぶのか。とにかく、止めてほしい』
ロイドが丁寧に尋ねる。
「どのような問題が?」
『我が都市の防護結界は、地表からの魔力的な放出に敏感だ。特に…あの“香り付きガス”は、結界を誤作動させる』
クロノが納得する。
「なるほど。ミントさんの魔法おならは、魔力波長が特殊ですから」
「でも、良い効果もあるんだよ! 植物を育てたり…」
『水中では逆効果だ! 我が都市の発光珊瑚が、一斉に色あせ始めた』
【三枚目外交:謝罪と交渉】
ジルが王族として対応する。
「我らとしては、深海都市を訪れ、直接謝罪したい」
『それも困る。お前たちが来れば、さらにガスが…』
「いえ、対策を考えます」
ミントがひらめく。
「あ! じゃあ、おならを止める魔法をかければいいじゃん!」
「そんな魔法あるの?」(一同)
「作ればいい!」
アビス(深海守護者)の声が驚きを含む。
『…お前、そのガスを止められるのか?』
「うーん…多分! ちょっとだけなら!」
『“ちょっとだけ”では困る。完全に止めてほしい』
でもミントは困った顔をする。
「でもさ、おならは自然現象だよ? 止められないよ?」
「ならば制御を」(クロノ)
「あ、それならできるかも!」
【おなら制御特訓:第一回】
早速、特訓開始。
指導役:クロノ(魔術理論)、マヤ(生体コントロール)
「まずは、体内の魔力の流れを感じて…」
「んー…お腹がグルグル」
「それは昨日の豆のせいです」
バルガスが遠くから叫ぶ。
「おい! 特訓は外でやれ! 店内が使えなくなる!」
「これも外交のためだよ!」
結果:
· 成功:おならの音量を50%削減
· 失敗:代わりに回数が2倍に
· 副作用:周囲の植物が異常成長
【アビス、地上に現る】
三日後、異変が。
店の前の井戸から、水の塊が湧き上がる。
「な、なんだ!?」
「…我だ」
水の塊が人の形になり、深海守護者アビスが地上に現れた。
「わあ! 水の人!」
「…一時的な顕現だ。お前の“ガス制御”の進捗を見に来た」
一同が緊張する。
「で、どう? 私のおなら、マシになった?」
「…むしろ、魔力的な密度が増している」
アビスは(水でできた)腕を組む。
『問題は音量ではなく、魔力の“質”だ。お前のガスは…天空花の香りに似ている』
「あ! 天空の庭園でも言われた!」
『つまり、お前は無意識に、古代の魔力を再現している』
【意外な真実:ミントは古代の鍵】
クロノが急いでメモを取る。
「つまり、ミントさんの…えっと…『ガス』は、古代魔術の一種?」
『そうだ。我々守護者にとっては、懐かしい“故郷の香り”だが…』
アビスがため息をつく(水の泡がぷくぷくと)。
『…あまりに強すぎる。千年ぶりに嗅ぐと、くらくらする』
「え? 私のおなら、すごいんだ!」
「自慢することではない」(ロイド)
ジルが重要な点に気づく。
「では、ミントを制御するのではなく、古代都市の結界を調整すれば?」
『…それが可能か?』
「クロノさんならできるでしょ?」
クロノはプレッシャーに顔をこわばらせる。
「古代の魔術結界の調整…私の専門外ですが…」
「でも、アンシェントさんがいるじゃん!」
【共同作業:結界調整】
アンシェントとアビス、二人の守護者が結界調整を始める。
「我の知識では、結界の感度を…」
『いや、むしろフィルターを…』
ミントはその様子を興味深そうに見つめる。
「すごいね、昔の人たち」
「あなたも“昔の香り”を出しているんですよ」(エリア)
調整が終わり、アビスが宣言する。
『…これで、特定の魔力波長を遮断できる。試してみろ』
「え? 今ここで?」
『問題ない。我もこの場にいる』
一同が距離を取る。
ミントが集中する。
「えーいっ!」
ぷすっ
(控えめな魔法おなら)
アビスがしばらく沈黙する。
『…成功だ。不快感はない』
「やった!」
『しかし…なんだか、物足りない』
「え?」
【新たな問題:依存症!?】
数日後、アビスから再び通信。
『…実は、問題が』
「またダメだった?」
『いや、逆だ。結界を調整した後、都市の住民たちが…』
アビスの声が困りげだ。
『…“あの香り”が恋しい、と言い出した』
「ええっ!?」
『どうやら、千年ぶりに嗅いだ故郷の香りに、依存してしまったようだ』
「それって…私のおならがバレンタインデーのチョコみたいなもの?」
「…例えが」(一同)
ゴールドマンが商才を光らせる。
「ならば、定期的に“香り”を供給するサービスは?」
「ゴールドマンさん、それ…」(ジル)
『…考えさせてくれ』
【ビジネス誕生:古代香り定期便】
結局、契約が結ばれる。
内容:
1. ミントは月に一度、魔法おならを“採取”
2. クロノがそれを魔力結晶に封じる
3. アビスが深海へ運ぶ
4. 対価:深海の宝物(安全なものだけ)
「これで、みんな幸せ!」
「…しかし、奇妙な商売が増えたな」(バルガス)
エリアが心配そうに。
「ミントさん、体に負担はありませんか?」
「大丈夫! だって、普段から出てるものだし!」
【予期せぬ副作用】
数週間後、新たな“変化”が。
「ねえ、みんな…私、最近なんか変」
「どうしました?」(ロイド)
「おならが…いい匂いしすぎる」
確かに、ミントの魔法おならは、ますます花の香りに近づいていた。
「これは…天空花の影響か?」(クロノ)
「我とアビスの結界調整が、彼女の魔力を純化させたかもしれん」(アンシェント)
そして、最大の変化:
ある日、ミントがくしゃみをした。
はくしょん!
…と同時に、背中から小さな花びらの羽が生えた。
「え? ええええ!?」
「ミントさん、羽が…!」
「私、鳥になっちゃう!?」
次回:三枚目悪役令嬢、なぜか花の妖精化!?
「羽があれば、おならで飛ばなくてもいいかも!」
…でも、羽から花粉が撒き散らされる新問題発生!




