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第5話:三枚目悪役令嬢、時空学者と競馬で荒稼ぎする(?)
【新たな“困った人”:時空学者】
「…時空が歪んだ。私の実験が…」
意識が戻った学者風の男は、壊れた機械を抱えながら訴える。
クローディスが警戒して尋ねる。
「時空学者だと? それもまた、とんでもない人物を拾ってきたな」
「でも、かっこいいじゃん! タイムマシンみたいなの?」
男はうつむく。
「正確には『局所的時空再現装置』です。過去の特定の時空間を…」
「わかんない! で、使い道あるの?」
一瞬の沈黙。
ロイドがため息をつく。
「ミントさん、時空の研究は高尚な学問です。ギャンブルのためにあるものでは…」
「あ! 競馬!」
一同:「「「え?」」」
ミントの目がキラキラ輝く。
「だって、時空操れるなら、過去のレース結果わかるじゃん! それで馬券買えば、勝てる!」
「…なんという発想の転換」(学者)
【三枚目時空利用講座】
学者(名はプロフェッサー・クロノ)は説明する。
「理論的には可能です。しかし、装置は破損しています。完全な修復には…」
「いくらかかる?」
「…およそ、一千ゴールド」
一同が絶句する。
「そんな大金、どこに…」
「あ! でも、少し直せば、ちょっとだけ過去が見えるかも?」
クロノは考え込む。
「…確かに、部分修復なら。でも精度は…」
「それでいい! 『ちょっとだけ』見えれば!」
バルガスが首をかしげる。
「おい、三枚目。本当に競馬で儲ける気か?」
「うん! だって、一番手っ取り早いでしょ?」
「…確かに、俺たちの密輸よりは合法だな」
ゴールドマンの目が光る。
「…もし本当なら、投資しよう。ただし、利益の七割を」
「えー!? じゃあ、私の取り分は…」
「交渉なら五割だ」
「やった!」
クローディスがまた頭を抱える。
「…時空技術を、競馬に使おうとする。しかも利益配分の交渉まで…」
【時空装置“ちょっとだけ”修理】
修理チーム結成:
· 技術担当:クロノ
· 資金調達:ゴールドマン(不本意ながら)
· 材料調達:バルガスと元密輸団
· 応援担当:ミント
「よし! このネジは…あ、違うやつ!」
「ミントさん、触らないでください!」
数日後、装置が“ちょっとだけ”動く。
「…これで、過去24時間以内の、半径100メートルの出来事なら再現可能です」
「すごい! じゃあ…競馬場まで100メートル以内に入ればいいんだ!」
「理論上は」
ロイドが現実を突きつける。
「一番近い競馬場まで、馬で三日かかります」
「えー!? じゃあ、装置持って移動するの?」
「無理です。壊れます」(クロノ)
【三枚目閃き:なら自分で競馬やれば?】
ミントが手をパンと叩く。
「あ! じゃあ、ここで競馬やればいいじゃん!」
「…は?」(一同)
「だって、辺境だよ? 馬ならいっぱいいるでしょ? それに、みんな暇そうだし!」
ゴールドマンの商人魂が動く。
「…ふむ。辺境独自の競馬か。観光客を呼べるかもしれん」
「でしょ! で、クロノさんの機械で、直前の練習走りの結果が見られれば…」
バルガスが納得する。
「…つまり、八百長レースを作って、その情報で儲けるか」
「違うよ! 普通のレースで、ちょっとだけ先が見えるだけ!」
ジルが苦笑する。
「…それ、立派な不正では?」
「でも、みんなで楽しむためなら…いいよね? ちょっとだけ!」
エリアが赤ん坊を抱きながら笑う。
「…ミントさんらしいわ」
【辺境競馬『ちょっとだけ杯』開催決定】
早速、計画が動き出す。
競走馬調達:
辺境の農家から、仕事馬たちを“借りる”。
「この子、足速そう!」
「でも、普段は荷車引いてる馬だぞ…」
「それでいいんだよ! みんな平等に!」
コース建設:
町の外れの平原を整地。
「ここに障害物作ろう! …あ、でも馬が怪我するかも。やめとく」
「せっかくの障害競争が…」
観客集め:
「辺境で初の競馬! 入場無料! ただし、馬券は一枚から!」
噂はあっという間に広がり、近隣の村からも人が集まり始める。
【時空装置、いざ実戦テスト】
レース前日。クロノが装置を設置する。
「…これで、練習走りの様子が再現できるはずです」
「やった! で、どうやって見るの?」
「この水晶に…」
装置が微かに光り、昨日の練習風景がぼんやりと映る。
「おお! 見える! でも、ちょっとぼやけてる」
「精度が低いのです。確実な情報とは…」
ミントはノートを取る。
「えっと…3番の馬が一番速そう。でも、5番も最後に伸びてる」
「それ、曖昧すぎないか?」
「でも、これが『ちょっとだけ』ってことだよ!」
【レース当日:三枚目大混乱】
当日、平原は人で埋め尽くされる。
「わあ! すごい人!」
「こんなに人が集まるとは…」(ゴールドマン)
ジルが警備を指揮する。
「…王族が、競馬の警備とはな」
「でも楽しいでしょ?」(エリア)
そして、レース開始。
「よーい…ドン!」
農耕馬たちが、のっそりと走り出す。
「がんばれー! …あれ? 思ったより遅い」
「荷車を引く速度ですからね」(ロイド)
時空情報VS現実:
ミントのメモ:
· 3番:練習では速かった → 実際は途中で草を食べ始める
· 5番:練習では最後に伸びた → 実際はスタートで転ぶ
· 8番:練習では遅かった → 実際は一匹狼で爆走
「ぜんぜん違うー!」
「過去の情報は、あくまで参考です」(クロノ)
【大番狂わせ:ワイルドカード登場】
レース中盤、突然のハプニング。
「!? なんだあの馬は!」
一頭の野生馬がコースに乱入する。
「あ! あれ、ガルルの友達かも!」
「狼と友達の馬!?」(一同)
野生馬は競走馬たちを追い抜き、独走状態に。
観客が沸く。
「すごい速さ!」
「でも、出走登録してない馬では…」
ミントがアナウンスする。
「えー、突然の参加者、名付けて『ワイルドカード号』! この馬が勝った場合、配当は…特別ルールで!」
ゴールドマンが計算する。
「…もしこの馬に賭けていた者がいれば、配当は千倍だが…」
「賭けてないからゼロだな」(バルガス)
【三枚目裁定:全てがハッピーに】
野生馬が優勝。
観客からは不満の声も。
「ずるい!」
「あの馬、そもそも出走資格が…」
ミントが機転を利かせる。
「えー、優勝は『ワイルドカード号』! ただし、出走登録していないので、賞金は没収! 代わりに…」
彼女は宣言する。
「全員に、次回の無料馬券をプレゼント!」
「「「おおーっ!」」」
ゴールドマンが青くなる。
「…全員に!? それでは採算が…」
「でも、次回来てもらえれば、それで儲かるでしょ?」
「…確かに」
【意外な展開:野生馬が仲間に】
レース後、野生馬はなぜか店の前に現れる。
「あ、君! すごかったね!」
野生馬はミントに頭をこすりつける。
「…懐いているな」
「これで、うちにも馬がいるね! 名前は…『タイムトラベラー号』!」
「時空と関係ない」(クロノ)
ジルが気づく。
「…この馬、軍馬の血が混じっている。もしかして、戦場から逃げてきたのかもしれん」
「そっか…じゃあ、ここが安心できる場所でよかったね」
【時空装置の真の価値】
夜、クロノが装置を見つめながら言う。
「結局、競馬では役に立ちませんでした」
「うん! でも、それでよかったよ」
「…なぜですか?」
ミントは笑う。
「だって、もし完璧に結果がわかってたら、面白くないでしょ? ギャンブルの楽しさは、わからないからこそ!」
クロノははっとした。
「…私は、完璧な時空再現を目指していました。しかし、不完全だからこそ…」
「そう! 『ちょっとだけ』が、一番楽しいんだよ!」
その時、装置が突然光る。
「!? これは…」
映し出されたのは、過去の光景…ではなく、未来の断片だった。
· エリアがレオと笑う姿
· ジルが国を変える宣言をする姿
· ミントの店が、大きな建物になっている姿
「…未来が見える!?」
「でも、ちょっとだけぼやけてるね。これが、一番いいんだよ!」
【結局、儲かったのか?】
最終的な損益:
· 収入:馬券売上 500ゴールド
· 支出:賞金、設備、人件費 450ゴールド
· 特別支出:全観客への次回無料馬券 300ゴールド分
クローディスが報告する。
「…計250ゴールドの赤字です」
「えー!? でも、楽しかったし!」
「それに」ゴールドマンが付け加える。
「次回来場者が増えれば、長期的には黒字になる。ワタシは満足だ」
バルガスも笑う。
「それに、うちの若い衆も楽しんでた。仕事ばかりじゃ、やってられないからな」
【次回予告:今度は海底遺跡!?】
数日後、町に新しい噂が。
「海のほうで、古代遺跡が発見されたらしい」
「でも、辺境に海なんて…」
「干上がった湖の底らしい」
クロノの装置が反応する。
「…強い時空の歪みを感知します。あの遺跡には、何かが…」
次回:三枚目悪役令嬢、今度は海底(元湖底)遺跡へ!
「宝物? でも、重そうだな…」
「いえ、それよりも…この遺跡、生きています」
…なぜか古代文明の守護者と友達になる!?
第5.5話:三枚目悪役令嬢、古代遺跡をビキニで探索する
【遺跡発見!でもまずは服装問題】
「古代遺跡が発見されたんですって!」
ミントが駆け込み報告する。一同が集まる。
ジルが地図を広げる。
「確かに、干上がった古代湖の底とやらに、何かが露出したらしい」
「宝物か?」(バルガス)
「それ以上に…時空の歪みを感じる」(クロノ)
エリアが心配そうに言う。
「でも、危なくないですか? 遺跡って、罠とかあるんでしょ?」
「大丈夫! だって、私たち『何でもちょっとだけ屋』だよ! 『遺跡探索をちょっとだけ』やるだけ!」
ロイドが現実を突きつける。
「まず、探索に適した装備が必要です。頑丈な服と靴、それに──」
「ビキニでしょ!」
沈黙。
「…は?」(一同)
「だって、遺跡探索って暑いんでしょ? だったら涼しい格好が一番!」
「涼しさ以前に、危険すぎます!」(ロイド)
【三枚目ファッションショー】
ミントは既に手持ちの布きれで“ビキニ”を作り始めている。
「ほら、これ! 水色で涼しそうでしょ?」
「それはただのハンカチ二枚です」(クローディス)
「でも、工夫次第で…あ、食い込む」
実演しようとした瞬間、布がパンと切れる。
「…やっぱりダメだ」
「当たり前です!」(一同)
ゴールドマンが提案する。
「ワタシが商人仲間から、探索用の装備を調達しよう。ただし、費用は──」
「利益の何割かでしょ? わかった!」
「…交渉もせずに引き受けるな」(バルガス)
【遺跡へ:でもみんな服装バラバラ】
数日後、遺跡入口に到着。
装備状況:
· ミント:ゴールドマンが調達した「冒険者用服」…だが、サイズが合わずブカブカ
· ロイド:きちんとした騎士装備
· クローディス:学者らしい実用的な服
· バルガス:軽装だが、至る所に武器を隠し持っている
· ゴールドマン:高級だが実用的な探索服
· ジル:王族用の軽鎧(なぜか持ってきた)
エリアとレオは町で待機。
「わあ! すごい! 本当に遺跡だ!」
「…静かに。何かがいるかもしれん」(ジル)
【遺跡内部:暑い!】
入口から数メートル進んだだけで、異変が。
「…熱い」
クロノが装置を見る。
「内部気温、40度以上です。なぜか…」
「だからビキニが正解だったじゃん!」
「いや、むしろ熱中症の危険が…」
ロイドが水筒を配る。
「こまめに水分を。そして、無理はしないでください」
「でも、宝物はどこかな…」
その時、バルガスが壁を指さす。
「…これ、文字か?」
「古代語だ。私に読める…おそらく『暑熱の試練』と」
「あ、やっぱり暑いの仕組みだったんだ!」
【第一の試練:灼熱の回廊】
廊下がさらに熱くなる。
「うわ…焼けそう」
「ここは…あっ!」
突然、床が光り、炎が噴き出す。
「防護魔法を!」(クロノ)
「鎧でも耐えられん!」(ジル)
その時、ミントのブカブカの服が役に立つ。
「あ、これ脱ごう」
「え!?」
「だって、暑すぎるんだもん…でも、下着はちゃんと着てるから!」
ミントが冒険者服を脱ぐと、下には…普通の服を着ていた。
「…二枚重ね?」
「うん! だって、ブカブカだったから、中に普通の服着たんだ!」
「それなら最初から…」(一同)
でも、これが偶然にも正解だった。
「…待て。炎が、服の素材に反応している」
クロノが観察する。
「この冒険者服、魔法素材だ。炎を引き寄せる性質が…」
ミントが脱いだ服を遠くに投げる。
ボォッ!
服に炎が集中する。
「わあ! すごい! で、今なら通れる?」
「…おそらく」
【第二の試練:水没エリア】
次の部屋は、逆に水が滴っている。
「今度は水か…でも、まだビキニ要らないね」
「絶対要りません」
床がぬかるんでおり、歩きにくい。
「…ここは、かつて湖底だった部分だ」
「宝物はどこかな…あ!」
ミントが滑る。
「キャッ!」
「ミントさん!」
ロイドが支えようとするが、自分も滑る。
ズドン!
二人とも水たまりに座り込む。
「…濡れた」
「私もです」
でも、それで気づく。
「あ、この水…冷たい!」
「本当だ。さっきまでの熱気が…」
クロノが分析する。
「…温度調節の仕組みだ。熱いエリアと冷たいエリアで、探索者の体力を奪う」
「ずるい! でも…」
ミントがひらめく。
「じゃあ、さっきの熱いところで温まって、ここで冷やせば、ちょうどいいんじゃない?」
「…逆転の発想だな」
【「宝物」発見:でも…】
ついに中央の間へ。そこには台座があり、何かが置かれている。
「宝物!」
「待て。罠かもしれん」
慎重に近づく。台座の上には…
「…石板?」
「それだけ?」
「いや、これは…」
クロノが石板を調べる。
「…古代の知識が記されている。農業技術、医療、天文学…」
「え? 金貨とかじゃないの?」
「これ以上の宝物はない!」(クロノ、感動)
ジルも納得する。
「確かに。知識こそが、真の財産だ」
「でも、重いし、売れないじゃん…」
その時、石板が光り始める。
【古代の守護者:でも三枚目すぎて】
「…来たか」
光の中から、半透明の存在が現れる。古代の守護者だ。
「我はこの遺跡の守護者。知識を求める者よ、試練を──」
「あ、こんにちは! 暑いのに、ずっとここにいたの? 大変だったね」
守護者が言葉に詰まる。
「…我は霊体だ。熱さなど…」
「でも、さびしくない? 一人で」
「…千年、独りでいた」
一瞬、守護者の声が寂しそうになる。
「で、その試練ってなんですか? 早く済ませて、一緒に外に出ようよ!」
「…は?」
一同が慌てる。
「ミントさん、守護者を連れ出すとは…」
「だって、かわいそうじゃん!」
守護者はしばらく黙ってから、笑った。
「…ふふ。千年ぶりに、面白い者に出会った」
「で、試練は?」
「もういい。この石板を持って行け。ただし…」
守護者がミントを見つめる。
「…お前の『軽さ』を、少し分けてくれ」
「え? 私の軽さ? どうやって?」
「そばにいるだけでいい」
【帰還:新しい仲間】
こうして、古代の守護者「アンシェント」が仲間に加わった。
…といっても、普通の人には見えない。
「ねえ、アンシェントさん、見える?」
「霊体なので、意志のある者にしか見えません」(本人)
「あ、そうなんだ。でも、話は聞こえるね!」
町に戻ると、エリアが驚く。
「ミントさん、誰かと話してるの?」
「うん! 古代の守護者さん!」
「…また、変わったものを連れてきましたね」
【石板の恩恵:でも三枚目活用】
石板の知識は、確かに役立った。
農業技術 → 辺境の農作物の収量が2倍に
医療知識 → マヤがさらに高度な治療をできるように
天文学 → 気象予測が可能に
でもミントは…
「ねえ、この石板で、競馬の結果予測できない?」
「…知識の間違った使い方です」(クロノ)
「でも、天気がわかれば、レースの開催日決められるじゃん!」
「それは…まあ、正しい」
【結局、ビキニは?】
後日、ミントがまた言い出す。
「でもさ、遺跡の中、本当に暑かったよね? 次行く時は、ちゃんと涼しい格好で…」
「ビキニはダメです」(一同)
「えー! でも、アンシェントさんはどう思う?」
守護者が現れる(見える人だけに)。
「…我の時代も、暑い地域では軽装が普通だった。ただし、それはその土地の習慣だ」
「ほら! 古代人も賛成!」
「ただし、『遺跡探索用』としてなら、適切な防具が必要だ」
結局、ゴールドマンが「冷却機能付き探索服」を開発することに。
「これなら、涼しい上に安全だ」
「やった! …でも、高いでしょ?」
「利益の──」
「「「何割かでしょ!」」」(一同)
【予告:今度は空中庭園が!】
石板の解読が進むと、新たな場所が記されていた。
「…ここに、『天空に浮かぶ庭園』の場所が」
「わあ! 浮かぶ庭園! 行きたい!」
「ただし、高度三千米とある」
「高い! …でも、行く!」
次回:三枚目悪役令嬢、今度は天空の庭園へ!
「落ちたら死ぬよね? …まあ、なんとかなるでしょ!」
…なぜか浮遊島の住人と友達になる!?




