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異世界モノ未満
焦げ臭い。
知っている肉塊から、嗅いだことのない焦げた匂いがする。
家も橋も、ありとあらゆる建物が倒壊している。
パチパチと火の音と一緒に、ガラガラと瓦礫が崩れ落ちる。
同時に、目に見えない自分のなかのものも、ガラガラと音を立てている気がする。
ほんの少し前、本当に少し前まで、
この場所には、見たことある風景と見たことある人たち、そしてだいじな景色とだいじな人たちがいた。
でも、もう目の前には知らない肉塊と知っている肉塊がころがっている。
あぁ、これが災害というのだろう。
歴史には載らない、誰もが忘れるような、よくある災害。
おそらく人々は、
「気の毒だったね」で済ますのであろう災害。
ドラゴンの襲撃は、この世界では、一種の非日常に分類される【日常】なのだから。




