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君繪の心を拐帯したのは...?

〈秋の蚊が余命を知つて刺しに來る〉



【ⅰ】


 カンテラ、じろさん、テオ、尾崎一蝶齋、白虎の連合軍を(前回參照)魔界で待つてゐたのは* 、誰あらう、カンクローこと環九朗だつた。カンクローは、その末期(まつご)、蘇生せぬやうにと遺骸をテオに小間切れにされたのだつたが... ** 肉片を使つたホムンクルス式蘇生術で蘇つたのだ。しかも、介添へ人に*** ベルゼブブを連れてゐる。

「また蘇つたのか、貴様」じろさんが云ふ。「ふゝゝ、『キメラ・メイカー』としての私を、ベルゼブブ將軍が髙く買つてくれてな。貴様らこそ何の用だ?」‐「話がある」とカンテラ。



* 当該シリーズ第27・28話參照。

** 前シリーズ第88話參照。

*** 前シリーズ第11話・他參照。



【ⅱ】


 カンテラは續けた。「君繪に憑依した【魔】を、速やかに魔界に呼び戻して貰ひたい」‐カンクロー「何の話かと思へば- お願ひします、と土下坐でもしてみろ」‐カンテラ「するものか! だが、交換条件があるのだ」‐カンクロー「交換?」

 カンテラ「白虎を替はりに置いてゆく」‐これには、カンクローもベルゼブブも驚いたやうだ。何やら相談してゐる。

 ベルゼブブ「環先生が、白虎には獸醫學的興味がある、と仰つてゐる。その条件を呑まう」‐カンテラ「良いだらう。さあ、白虎、行け」‐白虎「があお」これは勿論、前回からの打ち合はせ通りの事だ。白虎も自分がすればいゝ事を分かつてゐる。


 じろさん(白虎、暫しのお別れだ)‐白虎「があお」(直ニ戻ツテ參リマス)。



【ⅲ】


 ベルゼブブは【魔】としては義理堅い男だ。君繪はすぐに【魔】の憑依を解かれた。‐人間界...「さて、テオ、例の肉片を」‐こんな事もあらうかと思ひ、カンクロー(蘇生前)の肉片を一つ、テオは冷凍保存してゐたのだ。カンテラ、「開發センター内・方丈」に急行。護摩壇に、その肉片と、毒人參を投じた。魔導士以外の者が吸ふと命の危険に晒される、有毒ガスが立ち昇る。


 呪殺‐ カンテラにも初めての試みだ。無論、カンクローが標的。數日後、「シュー・シャイン」が、カンクロー死亡の報せを持つて來た。「ざまあみろ、だ」じろさん。



 ⁂  ⁂  ⁂  ⁂


〈容貌の誰にも似ずに俗世間渡るは辛し思ひ出もなく 平手みき〉



【ⅳ】


 君繪(わたし迷惑掛けちやつたみたいね)‐悦美(わたしが惡かつたのよ、あんたの* 例の「契約」の事忘れてたなんて。莫迦なママだわ。許してね)


 白虎、魔界で暴れに暴れ、脱出して來た。ベルゼブブ「糞、俺とした事が‐ これでは『虻蜂取らず』どころではない!」‐彼は、最後の足掻きとして、人間界に現れた。が、カンクローなしでは、何が出來るでもない。カンテラ、彼を斬り伏せた(だうせ直ぐに蘇生するのだが)。「しええええええいつ!!」



* 当該シリーズ第9話參照。



【ⅴ】


 ベルゼブブは命果てた。

 カネ‐ 兼ねてからカンクローの行狀に目を光らせてゐた「魔界壊滅プロジェクト」佐々圀守キャップから、禮金が届いた。「案外簡單に事が濟んだな」と尾崎。「これも、テオの頭脳の勝利だよ」カンテラ。全てがテオの筋書きだつたのだ。



 ⁂  ⁂  ⁂  ⁂


〈三日月が我が首を掻く鎌となる 涙次〉



【ⅵ】


 その夜は、一味挙げての大宴會となつた。眞ん中で君繪はにこにこしてゐた。力子が隣りで、君繪に食べられる物を取つてあげてゐる。この世もまんざら捨てたもんぢやない。



 短いが、これにて君繪憑依さる、のエピソオド、解決篇と致します。では。


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