第4話「チェリボ不知火明人」その1
リサが探し出した不知火明人とは、いったいどういう人間なのか…?
俺は不知火明人(20)。大学2年の学生だ。
突然だが、ここで俺がこの世で最も嫌悪する言葉を発表したいと思う。
それは…
童貞!
ああまったく…「童貞」とはなんて嫌な言葉だろうか。
そこには蔑みのニュアンスが込められている。
「チェリボーイ」はまだましだが、使う気にはならない。
こういうのはもっとプレーンな言葉であるべきなのだ。
だから俺は新たな言葉を作り出した。
それが「チェリボ」だ。
「チェリーボーイ」を短縮しただけだが、パッと聞いても何のことかわからない。
それがとてもいいではないか。
たぶん「処女」や「バージン」だって同じはずだ。
そう呼ばれて喜ぶ女の子はいないだろう。
そうだ!「ピュアリー」なんてどうだろう。
「pure」と「fairy」をくっつけるのだ。すなわち「ピュアな妖精」。
悪くない。いや、すごくいいんじゃないか?
俺って、ひょっとしてコピーライターとか向いてんじゃ…
えっ?
経験しちゃえば、気にならなくなるって?
ふん。俺だってそう思ってたさ。
大学に入学すれば、バラ色のキャンパスライフが待っていて、普通に彼女ができて、あっさり童貞なんて卒業してしまうだろう…と。
だが去年1年、どんなに頑張っても、男子高出身で、女の子との接し方がわからない俺には、「普通に彼女を作る」なんて、どだい無理な話だった。
なのに俺の性欲は高まり続ける一方で、毎日アダルト動画で抜いても全く収まることがなかった。
彼女が欲しい!でもできない!
セックスしたい!でもできない!
童貞コンプレックスもあいまって、俺は本当にどうにかなりそうだった。
でもそんな悩みとももうおさらばかもしれない…
フフっ、だってさ…
俺の前に天使が現れちゃったんだもんね~♪
イェイイェーイ!
次回は土曜日に投稿する予定です。