第五十六章 決闘者(デュエリスト)の意地
「まだやるんだったら次は限界突破形態(業務用小麦粉を被るだけ)を...」
「わ、わかりましたよ!降参です!」
と涙目になりながらサタンが叫ぶ。俺の勝ち!
「ついに人間にも負けた...ジブンは悪魔の面汚しです!もう殺してください!」
と結局泣き始める。
「いいや、何でもありならそっちの勝ちだ。お前の仮想空間はお互いの魔力を弱いほうに合わせるように制限してる上にほしいものをなんでも出せる。こんな親切で対等な戦いを望むなんて決闘者の鑑だな。」
と、精いっぱいフォローしてみたが...おっ、たちまち笑顔になったぞ。
「そうでしょうそうでしょう!以前から『悪魔になんて勝てるわけねえだろ!』『魔法使うとか卑怯だぞ!』とかクレームをめちゃくちゃ入れられまして、それで編み出したがこの仮想空間なんです!ここなら武器を持ってきてなくてもすぐに愛用品を取り寄せられるんです!そしてなにより...」
「なるほど、そう言われ続けたから自分では戦わなくなったんだな。」
あ、言っちゃダメだったかこれ?あ、また泣き始めた。うわっ!抱き着くな!顏こすりつけんな!きたねぇな!
「そうなんですよぉぉ~!もうジブンが勝っても何も喜びを感じなくなってしまってぇ!だからこうしてファイトクラブを設立したんですぅ!」
「じゃぁ最後に聞くけど、俺と戦っててどうだった?」
「ひっさしぶりに楽しめました!やっぱり自分で戦うのは楽しいです!」
そしてサタンが指を鳴らすと仮想空間は解け、サルラを寝かしつけているレヴィがいた。
「ああ...やっぱり寝顔も可愛い...」
「こんな色ボケ野郎がここまで強いのはおかしいと思います。」
「同意だ。でもとりあえず全員に謝ろうな。」
そしてサタンは騒音を出したことについてレヴィ、サルラ、俺に謝罪。そしてアンナのお父さんにも深々と謝罪。おまけにアンナのお父さんを殴った罪はサタンにかぶせて俺は事なきを得た。
「決闘に関係ない人も巻き込んでしまい申し訳ありませんでしたぁ!」
「まあ、私たちに敵意を向けていたわけではないのであればいいよ。とりあえず朝ごはんにしようか。」
やっさし!アンナのお父さん人格者の極みかな!?
「ところであのたくさんいた豪傑たちはどこ行ったの?」
「僕が...消してしまった...申し訳ない...」
と自責の念でレヴィが恐ろしく沈んでいる。
「いや、あれは寝ている強者たちの意思だけを集めたものだから本体は死にはしませんよ。」
「よかった...」
と少し顔色がよくなった。
「朝ごはんができたよ~。」
「朝ごはんですね!」
とアンナがすっ飛んでくる。さっきまで寝てた上にあの騒音でも目を覚まさなかったよな?こいつ。
「ああっ!寝坊した!手伝えなくてすいません!」
とタノもすっ飛んでくる。お前も目を覚まさなかったのに...
「いいんだよ、本当は君たちは客人のはずだからね!ほら、君の分も。」
とサタンの前に特別なスープ(あったかい)とどこぞのジブリで見た目玉焼きののったトーストが置かれる。ほんとうまそうだなそれ。
「あ、ありがとうございます!」
「ぱくむしゃごくぺろり。おいしい!おかわり!」
「感動シーンが台無しじゃぼけぇ!」
とアンナにチョップを入れようとするが、
「お嬢様に手をあげることは許さない!」
と言われ防がれる。何はともあれこれで悪魔はあと二柱をしばくのみとなった。
「あ...ちなみにアスモデウスは...たしか人の恋に悩む姿が大好きだから手伝ってくれると思うし...ルシファーは雑魚だからどうにでもなるよ...」
訂正、あとは魔王を残すのみとなった。では魔王を探す旅に...
「あ、ジブンたち七柱は明日に集会があるのでよかったら一緒に来ます?」
次回、もう魔王とやりあう!デュエルスタンバイ!




