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第三十四章 報酬受け取りと実家帰省

俺たちはあのかっわいそうな女神たちを倒し、報酬を受け取りに向かう最中であった。

「いやぁ手ごわい相手だったねぇ。」

「所詮は虫よ、我の敵ではない。」

いやまあ瞬殺だったけども。

「それにしてもこの水晶玉もセイ書も何に使うんですかね。」

「ナニかしらに使うんだろ、余計な詮索はしないほうがいいぞ。」

そして俺らはまだ見ぬ報酬に胸を躍らせつつ、依頼人の元へ向かった。

「大きな屋敷だねぇ。」

「報酬の確定演出だなこれ。」

「・・・」

なんかサルラが呆然としてるな、よほどでかいんだろうなこの屋敷。

「では我は一度離れる、終わったら呼んでくれ。」

あ、さすがに魔物と一緒だと怖がられるか。

ゴンゴンゴン!とさながら大阪府警のようにドアをたたく!

「何か、だれに用があるのかをおっしゃってください。」

メイドさんが出てきた、うひょー!これは報酬も期待できますぞ。

「水神の水晶と砂神の聖書を持ってきたと伝えてください。」

「かしこまりました、旦那様ー!」

部屋まで行って呼ぶのではなくて!?主人使いが荒いメイドだなぁ。

「おお、持って来てくれましたか。」

「こちらでお間違えありませんか?」

と、タノが水晶玉と薄い本(薄くはない)を差し出す。

「うん、依頼通りだ、では報酬を…」

依頼主が固まった、こういう時は一度再起動したほうがいいんだっけ。

「アンナかい?」

動き出した依頼主が突然アンナに声をかけてきた。

「は、はい。お父様…」

恥ずかしそうにアンナが答える。ってえぇぇ!?親子ぉ!?

「お嬢様、お帰りなさい。」

メイドさんが淡々と述べる。そしてアンナはうつむいたままゆっくり去ろうとしている。

「おっとぉ!帰らせねぇぞ。」

「偶然だけどもせっかくの家族団らんだからゆっくりしていったらどう?」

「ちょっと話でもしようよ、お茶もあるよ。」

と男三人が退路をふさいだり腕をつかんだり肩をつかんだりして止めた。結局しぶしぶアンナにとっての久しぶりの帰省となった。

「元気してたかい?」

「あ、まあそれなりには…」

会話は弾まなかった、いや、アンナが弾ませようとしなかったってのがあってるか。ヨシ、ここは俺が一肌脱いでやる。

「ほんと元気ですよ、全員分の食料を一人で食べちゃったり、猛獣すらもかわいいって言ってモフるくらいには。」

「ちょ、ちょっと!やめてください!」

赤面どころか顔からファイラが出るほど真っ赤になって俺を制止しようとしてきた、無駄なんだけどね。

「あっはっはっは!相変わらずだねぇ。昔っからアンナは食卓に並んだみんなの食事をこっそり食べててうちの従者に怒られたり、リスを追っかけて行ったきり迷子になっちゃって、やっとの思いで探し出したらずっとリスを撫でていたんだもの、いやぁ本当に変わってないなぁ。」

もう何も言えなくてアンナが俯いとるし、サルラは必死に笑いをこらえとる。

「あ、これがその当時の写真ね。魔法で保存してあるから色あせてないよ。」

そこには空が真っ暗になっているにもかかわらず、満面の笑みでリスを撫でている少女が映っていた。もうアンナは消えてしまいたそうな顔をして縮こまってるよ、アンナのライフはゼロよ!いいぞもっとやれ。

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