第三十三章 泥塊の駄女神降臨
「全速力で逃げるぞぉー!」
「ぴぎゃぁぁ!」
「ひぇぇ!きゃっ!」
迫りくる砂の塊から逃ぃげるんだよぉー!
「待ってよ、せめてバカほど苦しませて殺すから。」
これはデストロイモードですな、殺すまで止まんない。おまけに砂に足がとられて進めない、まあ自分粉ですからお先に失礼します。
「ああっ!卑怯者!」
「置いていかないでくださいぃ~!」
やれやれ、世話の焼ける奴らだ。
「じゃあ爆発するから防御して、3,2,1。」
「早くしてぇ!爆死は嫌ぁ!」
「待ってください待ってください!シールドウォリ、」
ドゴォォォォン!
「アあああああああ!」
「ぴぎゃぁぁぁ!」
「ひゃっ!」
「しんがりは任せろ!」
さて、二人は外に出たな。時間稼ごうか。
「まさか味方ごと爆発させるとは…とんだ鬼畜だね。」
「お褒めにいただき光栄ですよ、腐の神様。」
おっと、逆鱗に触れるどころかはぎ取っちゃったみたいだな。神様だけあってすっごい量の砂!砂!砂!ついでに俺も粉になっとこ。
「あの二人を追わないと…ブツブツ。推しの本取り返さないと…ブツブツ。」
すっごい執念と集中力だなぁ。感心するよ。
「おおっとぉ!死んだと思うなよ!」
「生きてたの?ならもっと苦しんで死んで。」
ぐえっ!一体何トンあるんだこの砂、効かないけど、じゃあ死んだふりして外に行くか。
「追いついた、早くその本を返して死んで。」
「出てきたか、この鬱陶しい砂粒が。」
「げぇっ!クソ骸骨!とその水晶玉って…」
するとワイトさんがニヤッと笑って、
「水晶玉だ、お前の友人のな。」
と言った、表情筋強いなぁ、筋肉ないのに。
「あなたたちは、私の大事な者も、友達も、奪うんですか。」
あ、コレ知ってる、怒りすぎて一周回って冷静になったうえで敬語になるやつだ。
「ふん、怒ろうが嘆こうがどうせ砂粒、一撃だ。」
「ロードさん、水晶玉とられてますけど…」
奪った水晶玉を体に入れ込み、たちまち砂の身体に水分が満ち、泥の神へと変貌した。
「ディーネ、あなたの仇はとるから。」
「あの~、主人公こっちなんだけど。」
そんなメタ発言すらも無視して泥の塊を飛ばしてくる!
「いでぇ!ってなんでいてぇんだ!?」
あ、水分含んでるからかてか全員盾持ちの後ろに隠れてるしタノは鍋の蓋で防いでやがる。バトルIQも高めに設定しやがったな作者!
「あぁっ!泥が乾いてカピカピに!これじゃ汚れが落ちないよ。」
「砂粒にしてはやるな。まあ、これで終わりなんだが。ダーク・パニッシュメント!」
「え?そんな終わり方ないでしょ!こんなに怒ってるのに!こんなに恨んでるのに!あんまりじゃない!」
「悪いが、お約束や逆転劇というものに興味がないのでな。」
ホント非道だなこの骨。無情にもさらっさらになって消えていく砂の女神。
「やったあ!鍋にこびり着いた砂も消えた!よかったぁ。」
こいつもサイコパスだな!