第三十一章 水神の砦 砂神の迷宮
何週間ぶりかすらも忘れました、すみません。
「なーんかポケモンみたいなタイトルだなぁ。」
とセイが上を見ながらつぶやく。
「シッ!ようやく僕らを書く気になったんだからモチベ折らないの。」
聞こえてるぞ、まあ何週間ぶりかわからないけどまた書いていきます。
「何こそこそしゃべってんの?あと次のダンジョンは依頼されたから行くのであって、依頼は水神の水晶と砂神の聖書らしいわ。」
「「なぁにそれぇ?」」
俺はどこぞの遊戯の王のように、タノはワクワクさんの隣にいる着ぐるみのように言った。
「おそらくどちらも神の力が宿ったアイテムです、お金持ちが厄除けに使うんでしょうね。」
「ほう、ウンディーネとデザートロードを倒しに行くのか、私も同行しよう。」
うぉっ!びっくりしたぁ。骨がいきなり目の前に出てくるんだから怖い。
「それは心強い、ぜひお願いします。」
「先代が潰したはずなんだがまた湧いたか。」
そんな虫みたいに...一応神って言われてるんですけどね。
「でも街中を歩くにあたって骨の姿だと不便じゃありません?」
するとワイトさんはにやりと笑い、恐ろしくも厳かな骸骨は消え、ちょっと大きいローブを着て、身の丈に合わない大きな魔導書を持った14歳くらいの眼鏡をかけた少年が現れた。
「誰だお前は!?」
「ワイトの王だが...そんなに驚いたか?」
声もかわいらしくなっておられる。おっとアンナ、ステイステイ。撫でたくなる気持ちは押さえてもろて。
「これなら街を歩いても大丈夫そうね。」
違う意味で心配になるな。
「確かにこんだけかわいいんですもの魔物だと思う人はいないでしょう。でもやっぱり心配なのでもう少しお姉さんのほうにきてください。」
そんなきりっとした顔で言ってもダメ。あと自分のことをお姉さんて言うな、あっちの方が年上やぞ。
「では、移動するぞ。」
と、ワイト少年が一歩目を踏み出した...と同時にローブの裾を踏んで転んだ、と思ったらすさまじい反射神経でワイト少年を正面から抱きしめながら支えていた。そんな状況に気まずくなったのかワイト少年はそのまま全員まとめてテレポートさせた。
「さぁ着いたぞ、左が水神の砦で、右が砂神の迷宮だ、好きな方に入るといい。」
「私はワイト君と同じところに!」
「却下だ、逆に危ない目に遭う。」
というわけで砂神の方に俺、アンナ、サルラ。水神の方に残りが行くことになった。
「ワイト君と離れちゃった、さみしいなぁ。」
「あれもアンナを犯罪者にしないためのやさしさだと思うぜ。」
「あ、手出す前提なんですね。」
そんな話をしていると突然足が砂に埋まった。
「うおっ!なんだこれ。」
「足がとられる!」
「きゃっ!」
と俺たちがすったもんだしていると、砂の中から女神が現れた。
「私の狩場に踏み込んでくる愚か者は久しぶりね、来てすぐで残念でしょうけど死んで!」
そしてすぐに俺を狙ってきた、こいつあほだ。俺は砂になり、やつの身体の中に身をひそめた。
「あれ?獲物がいなくなってしまった、まあいい、そこの二人をいただくわ!」
デザートロードは右手を上げると、砂でできた槍を飛ばしてきた。
「シールドウォリアー、防いで!」
飛んできた砂の槍は粉々になり、サルラをとらえた。
「え?わ!?なに!?」
そのまま宙づりにされるサルラ。
「この子の命が惜しかったらひざまずくことね。」
「ぴゃー!頭に血が上るー!」
「なんか元気そうですね。でも仕方ない。」
アンナはひざまずいた。ここで俺の出番!
「この聖書が惜しかったらひざまずいてそいつを離せ!」
「ああっ!!!!!!!!!!!!貴様いつの間に!」
「ひざまずけと言ったが?」
デザートロードはひざまずいた、ひゃっはぁー!きもちえぇ!
「さぁて、ちょっと読んでみようっと。」
「やめろ!いや、やめてくださいどうかお願いしますそれだけはやめてください命よりも大事なんです。」
急に早口になったなこいつ、まあいいや、ぺらっと。
「こ、これは...!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!」
「BLだ。しかもかなり濃いやつ。」
アンナとサルラはずっこけ、デザートロードは赤面してうつむき、涙目になっている。
「きっと偽物よ、それ。ただの趣味の本でしょ。」
「いいや、この薄い本からはセイなる力を感じます。」
「「どっちの意味で!?」」
「どっちもです。」
「見られたからには、もう殺すしかなくなっちゃったよ。」
「よし、全速力で逃げるぞぉぉぉ!」




