第二十五章 最強のスケルトン
「雷神の剣を受けてみよ!」
あの侍もどきが振った剣は音も、ましては光すらも置いていったかのように思えた。躱す気がないからこんなまじまじ見れるんだよなぁ。むろん俺は真っ二つ、粉々になった。
「後ろブッ!」
声をかける前に切られた。うん、こいつ侍もどきじゃない、侍だ。
「その程度か!」
「この程度だ!」
「そうか、死ね。」
容赦ねぇぇ!まあ逃げる算段はついてるんだがな、さっきこっそりあいつらの背中に俺の粉を付けておいた。そこに戻れば逃げられるわけよ。
「我は最強を追い求めるものなり、だれであろうと刀の錆にしてくれる!」
「そうかい、ならこれを受けてみろぉ!」
俺はとりあえず爆散した。
一方タノ達サイド
「こうなったら不意打ちであいつらをしばくしかない。」
「そんなに強いんですか?」
「僕が十人いても勝てないよ。」
どうしよう、これ。でも不意打ちに気づかないほどアホなわけないし、正面から言っても死ぬだけだし、どうすりゃいいのよ~!
「僕に作戦がある、二人はここでおとなしくしていてくれ。」
え?何か作戦があるの?果たして何が…
「どうもぉ~、骨の兄弟さんたち。元気でしたか?」
まさかの正面から話し始めちゃったー!何してるのアイツ!?馬鹿なの?死にたいの?
「ああ、元気だったよ、お前の顔を見るまではなぁ!」
「僕らを何度もゆでやがって!許さない!」
ほらぁ!やっぱりだめじゃん!
「その件は、本当に申し訳ございませんでしたぁ!」
と言いながらタノは思いっきり地面に頭をこすりつけて謝ったぁぁ~!?
「は?」
「え?」
あの骨たち唖然としてるし、これが作戦?やっぱりタノはすごいわね。
「うぉぉぉぉ!あいつバケモンじゃねぇか!爆発してもびくともしねぇ!」
ってセイが戻ってきたぁ!
「あの侍もどきは?」
「…いまきた。」
「見つけたぞ、今度こそ殺してやる。」
終わった、このお話は区切り良く百の四分の一で終わります。アタシの来世の活躍にご期待ください。
「うるさい、今骸骨が話してるだろうが。」
「同族か、お前も殺し、まずは同族最強の座につく!」
良かった、仲間割れしてた。今のうちに逃げ、
「邪魔だ。」
「死ね。」
その侍もどきは地面から生えてきた剣に貫かれ、遺言を残す間もなくビームで焼かれた。
「最強とか何度か言ってたが、その前に礼儀を教われ。さあ本題に戻り、お前らを殺す…ってあれ?」
四人全員で土下座した。
「本当にすみませんでした!悪いのはこの料理人だけなのでアタシたち三人は見逃してください!」
「仲間売るの早いよぉぉ~!」
そして全員でタノを動けないように縛り上げて骨兄弟に引き渡した。
「わかった、お前ら三人はいけ。」
「「「やったぁぁ!」」」
「じゃあタノ、この人たちにこってり絞られるといいぜ。」
「内臓ごと絞られそうなんだけど!みんな!仲間を見捨てて行かないよね?ね?」
うーん往生際が悪い。そんなタノに俺は一言。
「いっつも俺を囮にしてるお前に言われたくはないね。」
と、俺たちは先へ進んだ。




