第二十四章 ボーン・バケーション&ブレイド
「あの子たちかわいかったぁ、もっふもふでしたよ。皆さんなぜ触らなかったんですかぁ?」
と、アンナはとても満足げな顔をして俺たちに問う。
「いやアンタねぇ、あれ召喚獣で猛獣よ!?あんなヘソ天状態の猛獣見たことないわ!」
ごもっとも、おかしいのはお前だ、アンナ。
「やっぱりモフモフの動物はよかったです!」
「うん、怖いもんは怖いから。俺らには無理だから。うん。」
そんな無駄話をたたきつつ通路をのぞき込む。
「なんか見覚えあるわね。」
「もうレギュラーでいいんじゃね?」
「確かにしょっちゅう出てるますけど。」
「最近ロードさんより出てるんじゃない?」
まあお察しの通りあの骨兄弟がチェスしてた。
「兄ちゃんのルークはもらったぁ!」
「おっと、そんなことしたらそっちの女王とられちまうぜ。」
「ああっ!ホントだっ!」
兄の方が強いんだな。
「あいつらの家ってここだったのね、言われてみればそうだわ。」
前の海だったり今回だったり戦ってないときはほのぼのしてんなぁ。さてと、回り道回り道。今度は別の通路をのぞき込む。
「えっと…あれは侍?かな。」
「どっかのゲームで見たことありそうだなぁ。」
そこには近未来的な鎧を身にまとい、座禅をしながら両手で剣を持つ何かがいた。スケルトンかどうかも怪しいな。
「でもあの骨兄弟よりはましよね。」
とサルラが一歩を踏み出した、そしてそれと同時にその侍もどきとアンナが、
「風切一閃!」
「危ない!」
斬撃をサルラが元居た場所にあびせ、アンナはサルラを引っ張った。
「な、ななな何!?なんなの!?」
「あまりにも速い居合。俺でなきゃ見逃しちゃうね。」
「なら助けるのに手かしてくださいよ。」
グキッ!と図星を突かれて折れた音がした。くそう、正論パンチは禁止技だ!てかタノもうあの侍から距離とってやがる!
「ヒュッ」
タノが撃った俺を突き抜けて行く矢は侍もどきめがけて飛んでいく。やっぱり俺の扱い雑。
「木葉切返。」
うーん、着弾とほぼ同じ速度、同じコースでまたしても屋は俺と腹を貫いていく。俺の扱いはもう気にしないことにした。
「げぇっ。返すのか!」
「シールドウォリアー!」
危ない危ない。アンナがいなきゃタノの飯が食えなくなるところだった。え?何?安心するところそこじゃない?いやいや、そっちの方が大事だと思う。
「かなり強い、何ならあの兄弟よりも。」
「誰ですか?骨兄弟よりはましって言ったの!」
「悪かったわね、ごめんなさい!」
「「「こうなったら!セイ!」」」
え?俺?俺何かした?
「あとは任せた!」
「後ろは頼みました!」
「しんがりをつとめて頂戴!」
うん。こいつらいっぺん死んでくれ。
「よそ見してないで!来るわよ!」




