第二十二章 骨と死骸と骸骨と
「よう、おはよう。」
アンナが先に出ていたので声をかける。
「あ、おはようございます!ところでタノさんはまだ寝てますか?」
「もうじき出てくるぞ、ところでサルラは?」
「もうちょっと寝かせてって言ってました。」
よし!タノが来たら骸骨の頭蓋骨持って起こしに行くか!
「お待たせ、ああ、眠い。」
「待ったかい?」
ちぇっ、同時に出てきたか。
「では、出発!どんなお宝があるかなぁ~。」
ウッキウキだなこいつ。まあ正直俺も楽しみにしてる、サルラのおびえる顔をな!
「着いた!」
近っ!ガチの徒歩五分だな。というわけで探索始めっ!
「さぁーてどんなお宝があるのかなぁ~。」
仲間が多いから全然怖がってないな、つまらん。
「お宝の前に、敵だよ。とりあえずしばこう。」
ワオ、目の前には五体のスケルトン、なんか二人盾持ってるけど。
「セイ!サルラと一緒に粉になって背後に回って!僕らが注意を引く!」
「わかった。」
「わかったわ。」
俺は粉になり背後に回る。サルラもこっそりと動く。
「こっちですよ!でぇりゃぁぁぁ!」
ガキン!と大きな音が鳴り、火花が散る。そのとき!
「A!背後を警戒!Bは前方の騎士からみんなを守れ!Cはいつでも魔法を打てるように詠唱!DはBの援護!」
とスケルトンとは思えないその喋りように全員が少し固まった。その隙を突かれ、
「ファイラ・チャージ!」
火球が俺に直撃した。お約束じゃねぇんだぞこれは!
「ドゴォォォン!」
うん、スケルトンたちは一体を残し全員バラバラに、サルラは目を回して気絶。他二人はポカンとしてやがる。
「お、お前今何をした!無詠唱の高度な爆裂魔法に見えたが、何をした!」
「いや、お前らが悪いんだよ。」
「な、まさかカウンターの魔法!?そんな魔法見たことがないぞ!」
ここは乗ってやるか。
「お前らの実力が見たかったがまさかカウンターの有無すらもわからん奴らだったとは、殺す気も起きない、去れ。」
「くそっ!」
あ、悪態ついて逃げてった。よかった~。引っかかってくれて。
「ほ、本当に使えるんですか!?カウンター魔法!」
アンナが尊敬のまなざしで俺を見てきた。やめろアンナ、その眼差しは俺に効く。
「いや、こいつは体を粉にしただけ、粉の状態のこいつは火に触れると大爆発を起こす。」
「はえ~。そういうことでしたか。」
ナイスだタノ、助かった。
「こいつら、結構いい武器使ってるじゃな~い。」
と戦利品をかき集めるサルラ、ちゃっかりしてんなぁ。
この先の道、探知妨害の魔法がある。周囲に警戒して進んで。」
サルラが緊張しながら言う。そんな時に俺の新技!
「俺の粉と水を混ぜて作った人形!その名もクレイ・デコイ!これで索敵してくる!」
「おお、ナイスよ、セイ!たまには役に立つじゃない!」
「さっきも役に立ってたぞ!」
というわけでうまく粘土人形を動かす。視覚も共有できるのサ。
「なんかかわいいですね。」
テクテク歩く俺の粘土人形になんか言ってるな。
「おっと、スケルトンがいたぜ。」
「でかした!罠とかもないか調べて。」
「それが…捕まっちった!」




