第十七章 俺たちが食材の調理法を考えているとき、食材もまたこちらをどう料理しようか考えている
「簡易爆裂魔法!P.Pコーン!」
はじけ飛んだトウモロコシは奴の顔面にこれでもかという程大量にめり込んだ。俺の粉(身体)配合だからな!
「うわっ!料理がっ!食べなきゃ食べなきゃ。」
律儀に残さず食べようとはじけたポップコーンを地面につく前に皿に盛り付けてやがる。
「うん。おいしい。通っていいよ...ってあれ?もういなくなってた。」
っしゃぁ!あぶねぇあぶねぇ。危うくハンバーグにされるとこだった。
「別に逃げなくても美味しいって言ってるし通れたと思いますけど。」
とアンナが怪訝そうな顔で見てくる。そ、そんな目で俺を見るなぁ!
「まあ生き残っただけどもう十分よ。今度こそはお宝を見つけよっと!ていうか宝箱は大量にあるわね。」
じゃ俺はこっちの宝箱を、開けようとした次の瞬間!
「うわっ!箱からアスパラガスがっ!」
むろん避けれず頭を貫く。
「ドァァ!」
「何その叫び方。どっかの野菜人じゃあるまいし。お!ジャガイモだ...って導火線ついてるぅ!」
その流れで俺にパス。
「やめろ!俺は火気厳禁だぞ!」
そのままダイレクトでサルラにパス!
「なにこれ?あ、なんだ導火線付きの芋ね。」
そんな余裕そうなセリフを吐いた次の瞬間。サルラが顔真っ青になって、
「ア、アンナ!これ持っといて!」
そのままアンナにパス!
「あ、はい!ジャガイモですか...ってこれ爆弾じゃないですか!」
慌てふためくアンナ、の頭になんか電球が点いたけど...
「タノさん!お皿ください!」
「食べる気!?とりあえずはい!」
そして皿に爆弾をのせて階段を駆け上がる!そしてすぐに降りてくる!
「あれ?爆弾は?」
「料理にうるさい人にあげました!」
「「「馬鹿野郎ぉぉぉ!」」」
読者の皆様にはマッド・クッカー視点でご覧いただきます。
「こちらふかし芋です!前菜にどうぞぉ!」
とめっちゃ必死そうに料理を持ってくる騎士。
「そんな気を使わなくてもいいのにぃ。」
「いえいえ!ごゆっくりどうぞ!」
そっちの方がゆっくりしたほうがいいと思うけど。
「まあいいや。いただきまぁす。」
ガブッ!ドグァァァン!とすさまじい威力で吹っ飛ぶふかし芋。煤だらけになる口。アフロになる髪。そんな中マッド・クッカーは!
「今日で二回目だねぇ。」
と、のんきにお茶をすすっていた。
さて、セイ視点に戻すか。
「おめぇなんてもの食わせに行ってんだぁ!」
「だ、だってこれしか方法がなかったじゃないですかぁ!」
「ま、まあアタシらは助かったことだし、いいじゃない。」
「料理人としてものすごい罪悪感だ。」
と口々に言う。
「まぁまぁ、いいじゃない。お詫びの品作って食べてもらえばいいじゃない。お、美味しそうなサツマイモ発見!」
何回もが赤く光った気がしたんだけど...
「殺魔遺喪起動。ターゲット捕捉。殲滅を開始します。」
いやな予感が当たったな。開けたとたんに飛び出る数十本の殺魔遺喪が冒険者たちを襲う!次回!サルラ死す!デュエルスタンバイ!(デュエルはしない)!




