◆◇4◇◆
「はぁ・・・・・・」
別に・・・・・・別に、悔しかったわけじゃない。
ただ、悠が守りたいほうを、自分に嘘つかないで選んでほしかった。
何より、舞を悲しませたくない。
「ん? ここ、何処だろう・・・・・・」
気が付くと、私は全然知らないところにきていた。
ヤバイ・・・・・・。
(目の前崖だし!!!)
ここ、森じゃん! さっきの!!
「はぁ・・・・・・帰りづらいなぁ」
私は、とりあえず木の下に座る。
すると・・・・・・。
「・・・・・・どうしたの?」
「えッ!?」
後ろを向くと、これまた美形な、背の高い緑色の髪をした男の子・・・・・・。
「え~っと?」
「僕はゼロ。まぁ・・・・・・この国の時期ナイト。君と同じ立場だよ」
「私は、織姫、時期アリス・・・・・・。皆からは織とか、織ちゃんとか、呼ばれてる・・・・・・」
私は、なんとなく笑顔になれなかった。
どうして・・・・・・?
「笑うといいよ」
「え・・・・・・? 何で?」
「織姫さん?」
「織でいいよ」
私は答えた。
夕焼けが憎たらしいくらい輝いている。
「じゃぁ、織。アリスは、絶対にね? 何があっても笑っていなくちゃならないんだよ。そうじゃないと、国民はついてこないから・・・・・・」
国民。
よく考えたら、私が将来この国を動かすことになるのかもしれないんだ。
「気になる人が、私以外の人に付いちゃっても?」
「取り返せばいいじゃないか?」
と、ゼロは言った。
「違う・・・・・・。あの人が付いたのは、私自身も大切な人なんだ・・・・・・」
「それなら」と、ゼロが笑った。
「僕が、織を守るから――――――」
私は耳を疑った。
「私を・・・・・・あって間もないのに、私のナイトになるの?」
「うん」
私は信じられなかった。
こんな私でもいいのかな・・・・・・?
ゼロについていっても。
私は――――――。
考える前に、私は答えを出していた。
「お願い・・・・・・だよ?」
ゼロは、笑っていた。
・・・・・・最初は、この笑いがただの喜びから来るものだって、そう思ってた。
だけど・・・・・・。
この笑いは、そんな物じゃない、黒い心を隠すための笑いだったんだ――――――。