◆◇2◇◆
起承転結が早くても気にしないで下さい。
スルーです、スルー。
「ん・・・・・・」
私が目を覚ますとそこは、知らない森の中。
見上げると、広い大空が広がっていて、向こうには湖が見える。
「あ! ねぇ、起きてよ悠、舞!」
私は二人を起こそうとするけど、思った以上に起きない。
「嘘・・・・・・どうしよ」
頭の中が真っ白になった私は、とりあえず湖に行き、水を持ってくることにした。
森の中を、走って走って走って、やっとたどりついた湖。
そこは信じられないくらい綺麗で、透き通る水はとても冷たかった。
「綺麗・・・・・・ん?」
私が見上げると、ふっと見えた建築物。
それは・・・・・・
「し・・・・・・城ォ!?」
全体的に白くて、すごい大きな城。
「ここ・・・・・・何処なの!?」
日本にこんな城があるとは考えられないし、こんな綺麗な湖も見た事が無い。
それに・・・・・・。
空を見上げると、見た事の無い鳥が飛んでいる。
「ここは、フロリアです」
「え・・・・・・?」
後ろをむくと、そういった人の顔も見れずに、私の意識は遠のいた。
あれ・・・・・・。
私、今まで何してたんだっけ。
あ、そっか、悠達と変な森に行っちゃったんだっけ?
・・・・・・アレ?
ここどこだっけ?
アレ? 舞―――――?
「舞ィィィィッ!」
「お目覚めですか? アリス様」
私が起きると、そこは豪華な部屋だった。
目の前にはカワイイ女性の方。
そして、私は綺麗なワンピースを着ている。
・・・・・・何故??
「あ! ちょっと! 舞達のトコに返してよ!」
「ご心配ありませんわ。時期アリスのもう一人の候補と、時期ナイト候補もアリスの隣で寝ていらっしゃいます」
そういいながら、花瓶に花を活けている。
「アリスって誰!? それに貴女は・・・・・・?」
ニコっと笑うと、コッチのほうに向かってきて、私に言う。
すごい綺麗・・・・・・妖精みたい。
「私はリアと申します。もうすぐ女王がいらっしゃいますので、それより少しお待ちになられてください」
「ん・・・・・・? 女王って? それにここ何処? 地球上の日本よね!?」
「地球上だということには変わりはありませんが、織姫様たちのいた時空ではありません」
時空・・・・・・? 女王・・・・・・? 何言ってんの、この人。
「ちょっと待ってよ、そんなの知らな――――――!」
と、その時。
目の前の扉が勢いよく開いたと思ったら、背の高い美人な女性が入ってきた。
「王女様!」
リアが叫ぶ。
「・・・・・・織姫さん、ごめんなさいね。手荒なまねをしてしまって・・・・・・」
いきなり謝るその人は、妖艶な笑みを見せた。
私はただ、ボーっとするのみ。
この人、どこか懐かしい。
「ん・・・織ちゃん?」
「織姫、ここどこだ?」
「お連れの方々も起きたようですわね」
その王女様は、私の方に近づいてきた。
怖い、それが第一印象・・・・・・!
「嫌ッ・・・・・・!」
私は、ベッドから逃げる間もなく、腕をつかまれる。
その手を振り解こうとするが、振りほどけない。
「ちょっと・・・・・・! 離してッ!!」
ヤバイ、泣きそうだ・・・・・・、そう感じて目を閉じる。
すると悠がベッドから飛び降りて叫んだ。
「止めろって言ってんだろ!? 離せよその手ッ!!!」
(悠――――――!)
隣で舞が泣いているのか、声が聴こえた。
すると、王女は笑っていった。
「許してね、織ちゃん――――――!」
(何で私の名前――――――知ってるの?)
私が頭の中で考えていると、腕に何かを付けられた。
嫌だ・・・・・・お母さんッ!
「!?」
半泣き状態で私が目を開けると、その付けられたものが、凄まじい勢いで光を放っていた。
「綺麗じゃない・・・・・・織ちゃん!」
「どうして・・・・・・私の名前?」
私が質問すると、舞がそっと呟くように答えた。
「お母・・・・・・さん?」
「はぁ!? 織姫、お前の母親って――――――!?」
悠が驚くのもしょうがない。
だって、私達のお母さんは・・・・・・。
「流石、舞ちゃんね」
と、ニコッと笑う。
「え・・・・・・じゃぁ、貴女は・・・・・・」
信じられない。
いや、そんなの嘘に決まってる。
私のお母さんが王女!?
ありえない! そんな馬鹿馬鹿しい詐欺に私は引っかからない!
「織ちゃんはまだ信じられてないのよね・・・・・・本ッ当にあの人にそっくりだわ」
「だって、そうでしょ!? 確かに貴女はお母さんに似てるけど・・・・・・私達のお母さんは病気であの時死んじゃったんだから!!!」
わわわわ・・・・・・・わけわかんない。
「織姫、この世界ってまさか天国か・・・・・・!?」
悠がそう言った。
天国ぅ!? 私達死んじゃったの――――――!?
ありえないよ!
「じゃぁ、このネックレス、覚えてるかしら?」
「その前に天国かどうかを・・・・・・話してッ!」
私は半分狂ってる。
訳分かんなさすぎて笑えてくる。
あんた等・・・・・・言ってる事もやってる事もメチャクチャだよ!
「とりあえず、織ちゃんは落ち着いて? 今、この世界も、私の事も、織ちゃんと舞ちゃんの生まれつきの使命も・・・・・・包み隠さず話すから」
そう王女が言って、私達はとりあえずついていった。