◆◇1◇◆
あたしは、知らないうちにあたりが真っ白で、何も無い部屋に立っていた。
「織ちゃん!」
何……?
誰かがあたしの名前を呼んでる?
「舞!」
そこには、小さい女の子二人がいた。
何で舞の名前も知ってるの?
顔を見せて?
貴方達は―――――
「……誰?」
目を覚ますと、そこはいつも通り、あたしの部屋のベッドの上で――――――
あたしの名前は、佐東 織姫。通称織。
普通の女子高生で、特技はピアノと料理と歌。
「織ちゃん! 織ちゃん! 悠真がもう外にいる~!」
・・・・・・はいはい。
今、あたしの事を『織ちゃん』と大声で呼んだ奴は――――――
佐東 舞姫。私の双子の姉の方。
こっちも普通の女子高生、特技は嘘と携帯とかのデコレーション、クレーンゲーム。
どっちかって言うとあたしの方が生活に役に立つ特技ばかりだけど……。
舞の方が何故か世渡りが得意。(それにモテる)通称舞。
「織姫ェ! 早く!」
あ~。悠が呼んでる。
「わーかってるよ! 今行くー!」
あたしも大声で返事をした。
まったく。いつもいつも!
ドドドドド……。
「おはヨ」
あたしは玄関のドアを素早く開けて、舞と悠が居る元にかけていく。
「おはヨ・・・・・・じゃねぇよ、何分待ったと思ってるんだ?」
「5分」
「ちげぇよ! 28分! もうちょっと時間気にしろこの馬鹿!」
ズべこべ煩いコイツの名前は、石木田 悠真。
私と舞の幼馴染。
それに、舞と同じで学校一モテる。いや~、何でだろうね。
「ハイハイ。ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ~?」
「それもそうだね、織ちゃんの言うとーりに学校行こ? 悠真!」
「・・・・・・舞がそーゆーなら」
『舞が』と悠が言って、少しモヤっとしたのは別の話です。
おはよォォォォォォ! 悠真くぅん!」
学校に無事着き、毎朝恒例、悠真君コール。
「悠~、これ迷惑じゃない?」
「まーな」
そういいつつ、おはよう、と返事をする悠。
何か隣で凄い殺気出してる奴発見。
・・・・・・舞は悠のことが好きなんだよね。
正直言ってお似合いだと思う。
悔しいなんて思わないけど――――――
「あのね、舞、あたし今朝ね――――――」
そういった瞬間。
あたりが今朝の夢のように、ふっと真っ白になった。
さっきまで悠真コールしてた子達が居ない。
(え――――――?)
「織ちゃん! これどうなってるの!?」
やだ、今朝の朝と同じ――――――!?
「あたしに聞かないで! ちょっと・・・・・・悠!?」
「織姫! 大丈夫か!?」
「平気だけど――――――」
その時。
その白い時空は、どこからか来た黒と混ざり・・・・・・
「え・・・・・・何!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁ」
「わぁぁぁぁああぁぁぁぁ」
私達は暗闇に飲まれていった。