第6話 秘密
投稿がうっかり9時になってしまいました。
日曜日だからまぁいっか。(^^)うん。
両親が迎えに来た。取調室の外で何かの説明を受けている。けれど中からは何も聴こえない。そして扉がガチャリと開いた。親父が鬼の形相で僕を見て開口一番に怒鳴りつけた。
「キロ!!お前何やっとんやボケ!!心配したでアホ!!」
「ちょっとお父さん!キロは巻き込まれただけやって言ってたやん!」
「お?そやったっけ?」
流石はこの親父。頭に血が昇ると人の話が耳に入らない。僕はそのあと病院に寄ってメンタルケアを受けた。まるで大人のように受け答えする僕を精神科医の先生は不審に思ったらしく、要観察と診断される。二キロはその結果が気に入らないらしい。
「完璧に答えたはずやけどなぁ」
「それが逆に怪しいんやと思うわ」
「…確かに。うわーミスったぁ!」
誰も観ていないところで一人芝居。もし観られていたら完全に精神をやられたと思われて何をされるかわからない。僕は周りをキョロキョロと確認する。大丈夫。それを確かめると両親が待たされているフロントへと足を運んだ。
「心配したでホンマに。ほんで何があったんや?」
親父は僕にそう聞いてくる。本当の事が言えなくてモヤモヤとする。二キロも何故か相手をしない。仕方なく自分なりに誤魔化した。
「いや…。なんか水溜りに財布落ちてる思て。ほんで拾ったら赤くてビックリしたんやけど…。まさホンモンの血やってんな。気持ち悪かったわぁ」
「そらアホやお前!見たらすぐわかるやろ!いい加減にせぇや!」
相変わらず口が悪い。何か誤魔化せたみたいだ。けれど僕の様子におふくろだけが不審がった。
「キロ、アンタ話し方変ちゃうん?何や変な感じやわぁ」
「え?!そんな事ないで!普通や普通!」
「そう?なら良ぇけど…」
危ない。何処でそう思ったのか。流石はおふくろ。勘が鋭い。いつも通りにしていたはずなのに二キロが自分の言葉を僕に喋らせるからいつの間にかトーンが寄ってしまっていた。それも僅かな違いだ。
「まぁ。もう大丈夫やと思うけど、あんま今日のことは他の奴には言わん方が良えな。碌なことあれへんで」
「うん。わかった」
親父の忠告があっても無くても言えやしない。いつ二キロは僕の体から出て行ってくれるのか。それが一番の悩みだ。