エイプリルフールなので作った。(タイトル考えるのが決して面倒だったとかではない!)
ハイスピード
「唐突に言おう、≪恋≫ とは敵である! なぜなら、一時の気持ちで有限である時間を無駄にするからである! 例えばだが、あの子からどう見えているだろう? 嫌われていないかな? 等と言った不安! それだけで悩み、惑わされる。ちょっとした仕草を考えたりする。そんな時間は人生には、ない! ないのである! だから、俺はこの際ハッキリと言おう。俺は恋には、落ちん! それに付け加え、女からはモテん!」
「ハイハイ。それ、もう何回目だよ」
何回目? お前は一体何を言っているんだ?
「よし。分かってなさそうだな。お前のその話はもうかれこれ一年は聞かされている。なのでこの際ハッキリと言うがな、飽きた。それに高校生だぞ? 青春をしろ。青春を」
青春? 青春とは、何だ? 青春の定義を教えてくれないか?
「俺が言うのも何だがもう少し、人と関わった方がいい。友達いないのか? 俺以外に」
フム。友達か。とうの昔に諦めているさ。友達作りなんて。
「あのな。これは、お前のために言っているんだぞ。どうするだ? 今後社会に出て人と関われなかったら。人と関わらない仕事なんてないと思うぞ。それに、女を落とすテクの一つや二つぐらいは考えておかないと困るぞ」
真面目なことを言ってるところ悪いが、俺の中ではお前のことを自動ハーレム制作人間と呼ばせてもらっているからな?
【説明しよう! なぜ彼が自動ハーレム制作人間と呼ばれているのか! 答えは簡単である! 彼は某アイドル事務所からスカウトされるほどのイケメンなのだ! なので彼と目が合ってしまった者は恋に落ちてしまうのだ! それ即ち、勝手にハーレムが出来ているのだ! ここだけの話だが、彼はこの事を高校に入学するまで気づかなかったのだ! なので以前は先ほどの名前に ≪無意識≫ がついてあったのだ!】
全くこの男は。簡単に言っているが案外難しいのだぞ。周りを見ている限りな。それに、おまえは男たちから牙を向けられているのだぞ。
「誰しもがお前みたいなヤツじゃないんだぞ」
「まぁ俺はイケメンだしね」
ウザいなコイツ。殴ろ。後で、ボコボコにしたろ。
「え? なにその目。俺のことを殺す気? えっと何故に無言! マジで俺のこと殺す気なの! ゴメンテ、な? 謝るからさ」
きっとこう言うところが好かれるんだろうな。だがしかし! 俺はお前を殴れるからな。幼馴染みだからな!
「幼馴染みだからって特権はないからな」
「いや、そうでもないぞ。幼馴染みは案外特権を持っているものだぞ」
そう。俺は見てきた。コイツの幼馴染みとして。イケメンの友達として。あれは、中学校の頃だった。
「もしかして、お前、回想に入ろうとしてる? なら、俺はここから、逃げるぞ?」
勘がいいな。これも幼馴染みの特権なのでは?
「違う」
「お前エスパーかよ」
心の中で言ったことを聞き取ってんじゃねぇよ。怖いよ!
「今日って何の日か知ってる?」
唐突だな。
「それ、お前が言えるのか?」
いやもう怖さなんてなくなったな。むしろもうどうでもいいや。
「今日が何の日? 桜が開花した日か? それとも、俺たちが初めてあった日か? 何かの記念日か?」
「確かに、桜は開花した! 校門にある桜の木も満開でした! けど違う! あと、覚えてたのか良かった~俺だけかと思ったよ。初めてあった日なのって違う! ほら、もっとあるだろ?」
桜に関しては知ってるが、そうなんだ。今日って初めてあった日なんだ。知らなかったな。つか、忘れてたな、完全に。だって仕方ないもん。気づいたら居たもん。俺、悪くないもん。さて、ちゃんと考えるか。何の日か? 記念日? だとしたら、大抵学校は休みとなる。ならば除くとして。そもそも今日は何日だ?
「四月一日か」
「そうだよ。あるだろ?」
四月一日ね・・・あっ。思い出した。エイプリルフールだ。
「で? それが?」
「んにゃ、まぁうん。お前にとっちゃいい日になるな」
何だその言い方。まるで、未来から来た未来人だぞ。
「未来人では、ないな。うん。それだけは言える」
だから、読むな、覗くな、視るな! 心の中を!
「読んでもいないし、覗いてもいない、何なら、視てもいない。しいて言うなら、聞こえるだな」
お前、一体何者だよ。
「超能力者」
「嘘か」
「まぁエイプリルフールだしね。ダカラ、これから言うことも嘘だと思えよ! お前、今日中に恋をしなかったら友達やめるからな! じゃ!」
そう言って教室から行き良い良く飛び出していった。って何がしたかったんだ? 嘘なんだろ? なら、別にしなくてもいいか。つか、まだアイツまだ昼飯食べてないよな? 本当に何がしたかったんだ? そっか。今日短縮だから、この後掃除して帰りなのか。だから、食べなかったんだな。
「さて、片付けるか」
【時間は飛び、放課後! つまり、掃除は終わったのだ!】
「さて、帰るか。結局アイツ掃除もしないで帰りやがったし。マジで帰ったら殴りに行こ」
「えっと殴るのは良くないと思うよ?」
ム? この声は、えっと誰だっけ?
【この、使えない男に変わって説明しよう! 彼女は本作品のメインヒロイン! そして、美女である! 某アイドル事務所からスカウトされ、街を歩けば大衆が湧き、千年に一度の逸材と言われ、世間では世界の美女とも言われているのである! そんな彼女の名は、藤徳 美恋である!】
そうそう、藤徳 美恋さんだ。
「今、時間あるかな?」
なぜに?
「もしなかったら、いいんだけどね」
あ~これ断れないやつだね。
「まぁ時間は一応ありますけど、帰るだけですしね」
「そっか、なら良かった」
なぜに安堵! てか、今思ったんだけど、教室に誰もいないじゃないか!
「ふ~よし。行きます!」
何を! てか、どういうこと? 理解できん! 何なのこの、ムードは?
「好きです。結婚を前提に付き合ってください! って重いよね? やっぱり重いよね? えっと結婚はまた考えるとして、今! 彼女に出来ないかな?」
「えっと。ちょっと待ってくださいね? なぜ俺なんかに告白を? まずそこが理解できないな? 告白するなら、アイツなのでは? フム。あっ分かった。エイプリルフールだ!」
「違うよ。それに、今午後だから終わってるよ」
ん? アア、そんなルールありましたね。ん? 確か友達やめるっていってたよな。あれってうん。午後だ。じゃああれって嘘じゃないんじゃ。フム。現時点俺は恋なんてしていない。あっ終わったな。
「私のこと忘れてる?」
あっ。目の前にいたね。恋人になる=恋をしているからなっている=セーフ。よし、これでいこう。
「まずだが、俺はあなたのことを好きではない」
「それでもいいよ。同じ空間、同じ空気、同じ時間を過ごせればいいから」
「・・・あっうん。なので、付き合うことにしよう。こちらも諸事情があるので、ね?」
「そっか。諸事情でか、うん。いいよ」
ヨシ! これで終わらないぞ!
「その代わり、全力で行くね」
「え? 何が?」
「アピールだよ。イヤっていっても止めないから」
別に全然それぐらないなら。
「よろしくね」
「アア、こちらからもよろしく」
こうして、お互いの目的が合致したので付き合うことになったのでした。だが、このときの俺は知らなかった。まさかあんな日常になるなんて。
主人公の名前出してなかったね。
園瓦 三知
幼馴染みの名前も出してなかったね。
心聞 光太