第七話 朝チュンと戦支度
「……おおう、これがリア充か」
広い寝室、巨大な白いベッドの上でハルヒコは朝を迎えた。
ファイヤードラゴン、フェニックス、そして女神ソレイユと三人の美女を
抱いた状態で迎えた朝は熱かった。
「おはようございます、ハルヒコ♪」
ソレイユの笑顔が愛しい、彼女と結ばれた喜びをハルヒコは感じていた。
「ハルヒコ~♪ おはよ~♪」
「おはようございます、ハルヒコさん♪ 回復しますか♪」
フェニックスとファイヤードラゴンも目覚める、前世でも現世でも
女性に縁がなかったハルヒコは幸せに浸っていた。
「さあ、マグマ風呂で綺麗にして朝ごはんにしますよ~♪」
「「お~~♪」」
ソレイユのコールにレスポンスするハルヒコ達。
広い食堂の円卓で蜂蜜を塗ったパンと牛乳と言うシンプルな朝食。
イフリートやファイヤードラゴンにフェニックスと言った高レベルモンスター達
に加えて教団幹部と囲むハルヒコ。
「え~っと、教団の人達はこの状況に何とも思わないの?」
人間とモンスターが同じ場所にいる件でソレイユに質問するハルヒコ。
「大丈夫です、教団の信徒達はイフリート達が私の眷属だと知ってます♪」
火属性なら人間もモンスターも皆私達の身内だとソレイユは言う。
「おう? ハルヒコとソレイユ様達が結ばれためでたい日だってのに
何やら邪悪な気配が街に近づいて来てるぜ」
イフリートが何かを感じ取ったらしい。
「もしかして、ジャーク教団かな?」
ハルヒコが呟くとソレイユが動く。
「ちょっと外を見てみますね……ああ、ハルヒコの予想通りです」
瞳を閉じて意識を外へと向けるソレイユ、この世界の太陽もである彼女
にとって地上に監視できない場所はない。
彼女の瞳は、大きな壺を乗せた荷馬車を駆って近づいてくる髑髏の黒騎士ストームを
視認していた。
「何やら大きな壺、流れ出る魔力からおそらくはモンスターを捕らえる道具ですね」
瞳を開いたソレイユが自分が目にした事を語る。
「という事は、この街の周囲に出るモンスターを捕獲しに来たのか」
敵の目的を予想するハルヒコ。
「ここに出るのは私の眷属のレッドドラゴンか?」
ファイヤードラゴンが口を開く。
「俺の眷属のマグマジャイアントかも知れねえぞ?」
イフリートも考えを述べる。
「誰であっても火属性の命は街の住人と同じく私達の身内ですよ」
ソレイユがまとめる。
「そうだね、ジャーク教団は許せないし身内は大事にしなきゃいけないよね」
ソレイユの言葉を聞き、ジャーク教団の企みを潰す事を決意したハルヒコ。
食事を済ませた彼らはジャーク教団をどう迎え撃つかをその場で話し合う事にした。
場所は変わって神殿の入り口前だ。
「大きい壺が怪しいな、捕獲用のマジックアイテムだろう」
ガタイの良い渋めの中年男性に化けたイフリートが口火を切った。
「だろうな、こっちの力で壊せるかが気になる」
ビキニアーマー姿の女戦士に化けたファイヤードラゴンも疑問を口にする。
「大丈夫です、私もハルヒコもいます♪」
ソレイユが微笑む。
「そうですね、みんなできっちり焼いてあげましょう♪」
フェニックスが怖い事を言うがその言葉にハルヒコ以外全員が
「「イエーーーーッ♪」」
とノリの良い叫びを上げて同意した。
「ハルヒコ? テンションが低いですよ? 上げて行きましょう♪」
ソレイユが心配しつつハルヒコの気分を乗せようとsる。
「ああ? いやあ、敵が可哀想だなあと」
ハルヒコの知る限り過剰戦力も良い所な面々だ。
「おいおい、全力で行こうぜハルヒコ~♪」
ファイヤードラゴンが肩に腕を回して来る。
「ハルヒコは優しいです♪ 心配いりませんよ、敵は倒しても
火の天使に生まれ変わるだけですから♪」
ソレイユが微笑み安心させようとするが、死ぬことには変わりないよなと思う
ハルヒコであった。
「大丈夫、これは奴らの魂を救う為の戦いだから奴らの為だ」
イフリートがハルヒコを諭す。
「ですです、悪しき因縁から彼らの魂を救ってあげましょう♪」
フェニックスもそうだそうだという。
「わかった、頑張るよ」
ハルヒコが言うと仲間達は再びイエーイ♪ と叫ぶ。
そして、全員で一斉にジャンプして敵の下へと飛んで行くのであった。