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第四話 火山都市でヒロイン登場

 ベーグルの街から南へと、炎の馬の二頭立ての戦車が空を行く。

 「茶色い山がいくつもあるな、あの辺りがボルケかな?」

 ハルヒコの行く手には標高は高くはないが茶色の山々がそびえていた。

 緑がない、それがハルヒコの第一印象だった。


 ハルヒコ、そのまま進んで下さい目印を出します。

 ハルヒコの脳に女神ソレイユの声が届く、それと同時に山の一つが

盛大に爆音と共にオレンジ色のマグマを吹き上げたっ!

 「ふ、噴火したっ! あそこなのかっ?」

 ハルヒコを出迎える花火の如く噴火する火山、ボルケの街が心配になり

ハルヒコは火を吹く山へと急行した。

 ハルヒコが山の麓に降りると噴火は止んだ。

 だが、その噴き出したマグマがハルヒコの方へレッドカーペットの如く

流れて来る。

 そして、そのマグマの絨毯の上に乗りハルヒコの下へと突っ込んでくる

存在がいた。

 

 それは、向日葵の冠を被りオレンジの髪をなびかせていた。

 それは、豊満な美少女の姿をしていた。

 それは、赤い胴衣に太陽を象ったベルトを巻きスパッツを履いていた。

 

 「ハ~ル~ヒ~コ~ッ♪」

 当のハルヒコが前世の知識からサンボ選手か? 

 と、唖然としているのを気にせず少女は乗ってきたマグマを瞬時に

大地へと変えるとハルヒコに抱き着いた。

 「熱い! 熱いってっ!」

 「もう♪ 照れないで下さい、ハルヒコ~ッ♪」

 ハルヒコに抱き着きながら全身から炎を噴き出す少女。

 

 ダメージはないが彼女から出る炎の熱に自分より上位の力を感じるハルヒコ。

 間違いなく少女は女神ソレイユの地上で活動する分体であった。


 垂れ目な瞳を閉じて笑う彼女をハルヒコはポワポワして可愛いと思った。

 すると、少女の被った冠の向日葵が輝きながらダンシング!

 わかりやすい喜びようだった。

 「えへへ~♪ ハルヒコに可愛いって言われました~♪」

 周囲の気温が小春日和の如くほんのりと温まった。

 

 「そ、そうだソレイユ! 噴火したけれど街は平気なのか?」

 噴火と言えば大災害である、麓には建物などはないが心配になった。

 「大丈夫で~す♪ 住民達は皆火属性に耐性があります♪」

 問題なしと微笑む女神ソレイユ。

 ハルヒコは空を見上げて、火山灰などが飛んでいない事で納得する。

 「改めて宜しくお願いしますハルヒコ♪」

 ソレイユがジャンプしたのでハルヒコはお姫様抱っこで受け止める。


 お姫様抱っこした状態でカイザーホイールに二人で乗り山道を行く。

 結婚式みたいだなとハルヒコが思えばソレイユの頭の向日葵が踊る。

 山道を登って行くと、周囲に黒い溶岩で出来た長屋状の家

らしきものが見えて来る。

 どことなく江戸の町とギリシャを混ぜたような感覚をハルヒコは

ボルケの街から感じた。

 

 家の外の住民達は、老若男女問わず逞しく髪が燃えていたり体から

炎のオーラを出していたり赤い鱗のトカゲ人間みたいな人がいたりと

全員火の属性がある人達であった。

 

 カイザーホイールで進むハルヒコとソレイユに明るい笑顔で手を振ったり

祝いの言葉を囃し立てたりする住民達にこちらも笑顔で応える二人。

 「何か、好意的に受け入れられてる感じが照れるな」

 「住民達は私の信徒、つまりあなたの信徒でもあるのです教祖であり

祭神の伴侶を歓迎しないなどありません♪」

 ソレイユの言葉にですよね~とハルヒコは納得した。

 所々開けた所に溶岩で出来た建物が棚田のように並んでおりこれが

ボルケの街かとハルヒコは感じた。

 「そういや、この街ってどんな街なの?」

 作物とか採れないよなあと住民の暮らしぶりがハルヒコは気になった。

 

 「鍛冶や火属性の素材の採取に墨の販売に力仕事で出稼ぎなどです♪」

 さらっと人々の暮らしぶりを語ってくれるソレイユ。

 「名物とかはあるの?」

 ジャーク教団との戦いの支援を頼むのは上手く行きそうなのでハルヒコは街を

楽しんでみたいと思った。

 

 「名物は、温泉と溶岩で焼く肉料理と私達の家でもある山頂の神殿です♪」

 「その温泉、火に耐性ない人でも平気なの?」

 「勿論ですよ♪ 私のパワーでみんなポカポカです♪」

 えへへとはにかむソレイユ、全力の女神モードよりゆるふわな性格な彼女に

ハルヒコは安心感を感じていた。

 

 「ところで、神殿が私達の家というのはやはり引っ越す必要があるかな?」

 ベーグルの街を出るとしても脅威を排除してからかなと悩むハルヒコ。

 「問題ないですよ、あの下宿も山の上の神殿と空間を繋げますから♪」

 ソレイユが微笑む、流石は神様かとハルヒコは感謝する。

 「えへへ♪ ばっちりハルヒコを支援しますよ♪」

 ソレイユの笑顔にハルヒコは心が惹かれた。

 「……ハ、ハルヒコ♪ 嬉しいけれど照れますね♪」

 ハルヒコの気持ちを感じたのか照れるソレイユ。

 

 春の空気のまま山頂へとたどり着いた。

 「ここが山頂か、何で鳥居なの?」

 ハルヒコが驚いたのは、溶岩で出来た黒く巨大な鳥居が出迎えたから。

 「ハルヒコが親しみやすい入り口にしました♪」

 ソレイユがドヤ顔をする、神殿の本殿も赤一色でギリシャの神殿と神社を混ぜた

造りと新機軸過ぎた。

 「何か合体していてすごいね」

 ハルヒコが感心していると神殿の入り口からマッチョな司祭達が出て来た。

 「お帰りなさいませソレイユ様、勇者ハルヒコ様」

 赤い法衣と帽子の老人がマスキュラーのポーズで挨拶をする。

 ソレイユがカイザーホイールから降りて両腕を上げてバイセップアップ

のポーズで返礼する、ソレイユの腕は筋肉がモリモリだった。

 「ただいまです、宴の用意をお願いしますよ大司教」

 ソレイユが赤い法衣の大司教に命じる。

 大司教が笑顔で頷きマッチョ達を引き連れて神殿へと入って行く。

 「えっと、あれはついて行けばいいの?」

 「はい、行きましょうハルヒコ♪」

 ソレイユに手を引かれ、ハルヒコは神殿へと入って行った。


 


 

 

 

 

 

 

 


 



 

 

 

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